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作品紹介
■その12
フランケンシュタイン
■主な登場キャラ
■フランケンシュタイン
の名言
有名な「継ぎ接ぎ」だらけのモンスターである。
名前はこの上なくメジャーであるこの男は、この作品においては名前は無い。
本来「フランケンシュタイン」とは、彼を創造した男の名「ヴィクター・フランケン
シュタイン」の名前である。
「ヴィクター」により創造された彼は、その風貌から人間に迫害される人生を送
る事となる。その行為に対しする矛先が彼の創造主「ヴィクター」に向けられる
事となるのだが、彼はある条件を出す。
その条件とは「私のようなおぞましい女の怪物を作れ」であった。
迫害され、孤独な人生を歩んできた彼にとっての切ないまでの願望が浮き出た
一番象徴的なシーンである。
■フランケンシュタイン
の名言
「もうだれもいない」
「これでおれはひとりぼっちだ!」
■ヴィクター・
フランケンシュタイン

彼の創造主
野心滾る学生時代、彼は偉大なる野望を心に抱く。
それは「神」の領域に進入する事。人工的生命を我が手で作り上げる事であった。
無類なる才能はたちまちに頭角をあらわし、野望の具現化の為に必要な場所に
「墓地」を選ぶ。
屍を観察し、彼はとうとう「生命の秘密」を暴く事となる。
そして「生命創造」の為、再び「墓地」へ向かう。素材集めである。
いく晩もの思考錯誤の末、ついに彼はこの世に人工生命をこの世に送り出す。
彼の野望の「完成」と共に訪れた「破滅」への道。
代償は余りにも大きかった。全てを失った彼はそして志半ばで天に召す。
創造物を残して…。
■ヴィクターの名言 「おお神よ…今夜私はあなたと肩をならべた!!」
■私のコメント 原作を読んだことの無い私にとってはこの作品に対するコメントは非常に難しい。
この作品に限ってのコメントとなってしまう。
それで良いのであれば、この作品のテーマは「あやまち」だと思う。
現代でも神の領域に手を触れることは「タブー」とされている。
そこへ自分の野心のみを突き進めるヴィクター。善悪の判断すら出来ない程に、
実験に没頭し、成し遂げた後の大きな代償。
その代償として生まれた「フランケンシュタイン」もまた、大きな過ちを犯した事に
果たして彼は気付いたであろうか?彼の伴侶となるべく生まれた

「おれのようなおぞましい女」

は生まれた時、赤子の如く善悪を知らないという事に気付かなかったフランケン
シュタインもまた、待ち焦がれた伴侶の誕生に、目先の判断しか出来ずに怒り
に任せ「伴侶」を自ら破壊する。
冷静な判断を出来なかった彼の大きな「凡ミス」である。
もっとも、人生の全てを「迫害」という行為で送ってきた彼にとっては、その全てを
忘れる至高の喜びであったに違いない。
見境なくなるのもムリはないか。

ラスト・シーンは全ての過ちの果て、取り残されるフランケンシュタインの涙で終え
る。胸を打たれるこのシーンに、一番の被害者は「彼」であるという事に、切なさを
憶えずにはいられない…。