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■第二十八話
月明かりに照らされながら

一筋の輝きが 天を昇っていった

僕の部屋 僕の視界の右側

その輝きは温かく そして切なくて

会話も途絶え 向かう先を何時までも見上げていた






始まりは1つのメール。

その翌日には訃報の知らせ。

途方に暮れながら数時間を過ごし

事実を確認をした後も、

抜け殻のようにモニターの前に座り続けた。



眠るでもなく寝室で横になる。

嫁との会話も何時しか貴方のこと。

僕は熱く語り、嫁はただ頷く。

何分話したか覚えていない、

何時間話したか覚えていない。

でも、会話の途中で右側に視線を送ったのは覚えている。






一筋の輝きが 天を昇っていった

僕の部屋 僕の視界の右側

その輝きは温かく そして切なくて

会話も途絶え 向かう先を何時までも見上げていた






月明かりにも似た輝きは

貴方を想い起こさせるには十分過ぎていた。

人はそれを「オーブ」と呼ぶのかもしれない。

人はそれを「目の錯覚」と言うのかもしれない。

でも僕はそれを、そのまま解釈することにした。





それは月からの贈り物

それは貴方からのメッセージ…

これからも続く月明かりに照らされた道の始まりの言葉……

いつかきっと………






一筋の輝きが 天を昇っていった

僕の部屋 僕の視界の右側

その輝きは温かく そして切なくて

会話も途絶え 向かう先を何時までも見上げていた




約束の場でまた会いましょう夜香様!
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