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■第十一話
視線そらし

例えばどこかを見ていて、目線の脇に人影や、何かそこには存在せぬ物が見えるといった経験はないでしょうか?
そして、その先に目をやると、そこには何もない…。
こんな経験は、実は誰しもあるとおもいます。

そこには本当に何もなかったのでしょうか?
誰も存在しなかったのでしょうか?
ただの「目の錯覚」だったのでしょうか?

私の趣味の1つに「天文学」があります。
「天文学」と書くと、さぞかし立派と思われがちですが、ただ星空を見るのが大好きなのと、少々の簡単な勉強をしているだけの、所謂単なる「星好き」です。

星を観察する際のポイントに

「暗闇に目を慣らす」という項目と

「視線そらし」

というテクニックがあります。

暗闇に目を慣らすというのは、皆さんもなんとなくわかると思います。
暗がりに目が慣れると、最初見えなかった物が徐々に見えてくる様になります。
皆さんも絶対経験していると思います。
淡い光にも反応出来ると言う訳です。

ではもう1つの

「視線そらし」

とは何ぞや???

これはですね…。
人間の目は正面にある淡い光に対しては実はあまり強くないんです。
詳しく書きますと、眼球部の中心よりやや外側、外周部が光に対する感度が強いとされています。
それは言いかえれば、正面から目線をずらすと見えない光にも反応してくれるとも言えます。
実際に、東京などの都会の空は、残念ながら天体観測には適さない、即ち光が相当弱まって地上に届く「淡い光」へと変貌しています。

そこで、ちょっとした星、もしくは星雲の光を自分の目で感知した時、その光点から少しだけ故意に視線をずらす事によって、より良くその光点を確認できるというテクニックであり、観測時には当然使われる有名な技術なんです。

都会では。例えば「オリオン座大星雲」などを肉眼で観測しようとした時に、このテクニックはとても有効です。

さて、話を戻してみましょう。
「目線の脇」に何かの存在を感じ、それを正面に捕らえようとすると存在が確認出来ない…。
何か星の観測時の話と似てませんか?
人間の目は正面の淡い光にはとても弱く、そして目線両脇はその逆で淡い光に強いんです。

もしも、そこには何も無いのではなく、淡いとても弱い光を発するものが存在してたのだとしたら、そこに目線をおくっても見る事は出来ないでしょう…。

皆様はどう思いますか?
そこに何かが存在するかどうかという事に関しては賛否両論でしょうが、

「視線そらし」

というテクニックは天体観測では常識であり、その事に対しては誰も批判は出来ません。

貴方も目線の両脇に「何か」の存在を確認した時、慌てずしばらくその目線のままにしておくと、その「何か」はしばらく存在していますよ。


現に私はそうやって結構見ていますし…。


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