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□この話は「奈菜様」が、
2004年3月5日に投稿して下さった作品であります。
■投稿作品第九十五話
ピピピピピピピピ…

時計の音。
それは昨日の夜の出来事だった。


夕飯の食事を終え、一人でポツンと自分の部屋に入った。
兄弟が多い為、末っ子の私はいつも一人部屋なんか貰えずに居る。
部屋にあるのはベッドと棚、洋服箪笥ぐらいで、少し狭い部屋。
その部屋には時計がなくて、目覚し時計はケータイでセットして毎朝起きれるようにしているのだ。
私は兄と2人でその部屋を使っていた。  



『ピピピピピピピピピピピピ』



手鏡で自分を見てつったっていた私は振りかえった。


この音は?


時計の音?


そう思った私は、兄の物がほとんど置いてある棚を見回したり、兄のカバンの中もよーくチェックした。


ない…。


自分は時計など持っていない、ケータイだってリビングに有る、兄のケータイは何時も兄がポケットに入れてる。
いつだって離さない。



『ピピピピピピピピピピピピピ』



その音はまだ鳴っていた。
私は不思議でたまらなかったのだ。
時計と言えば兄が壊してしまった古いG−ショックだけのハズ。
しかも壊れているのに?何故?一体何が急に鳴り出したというの?

窓を見る。隣の家の時計の音がこっちまで聞こえてくるとでも言うのだろうか??
しかし、その音は私が怖くなってリビングへ出ようとし、ドアを開けた瞬間におさまった。


おかしい、絶対に!


私の家は不思議だった。
飼って居る犬が突然誰もいないのに吠えたりする事が何度もあって、その度に姉は私達に


『犬は霊が見えちゃったりするらしいよぉ、怖いね』


と言うのだ。
この土地に霊が居ない確率は少ないのか多いのかも分からない。
ケド…本当に霊がこの土地に存在するというのならば、私は引越しが必要だと思った。


だって怖いから…

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