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□この話は「piki様」が、
2003年12月18日に投稿して下さった作品であります。
■投稿作品第八十八話
卒業旅行

4月で大学生になるpikiです。
これは、私が中学三年生の時、友達同士で行った卒業旅行での話です。

私は母からの受け継ぎなのでしょうか(母親はよく見る方のようで、病院とドライブを苦手としています)、ごく薄くですが、霊能力(?)らしいものがあります。
中学三年の三月に、中学時代のラストの思い出にということで、新潟のMという、スキーで有名な町に、友達と旅行へ行きました。

バブルの時の作りなのでしょうか、やたら豪華でとても楽しく過ごしていたのですが…。
二日目の夜、母親に電話をかけると、母親(京都の実家で居残り)が、


「なんや気持悪いわぁ…電波も変やし。あんた、そこホンマに大丈夫なん?」


と訊いて来ます。
私も友達も怖がりなので、


「冗談じゃない!」


とキレていたのですが、母が


「絵があるなら裏を見てみなさい」


とうるさく言うので見てみたら、お札が張ってあるのです…。
これが、恐怖の始まりでした。

その夜、私たちが中学生のお決まり、大富豪で夜更かしをしていたら、壁をノックする音や、前の非常階段をやたら出入りする音がします。
隣は女子大生の三人組で、しなさそうな人たちでしたし、逆隣は外です。
そして、その部屋は11階です。
よく耳をこらすと、それは外からノックされているのです。

あまりの気持の悪さに、フロントに電話をして、階段を点検してくれと言ったら、ホテル側がいとも簡単に


「お部屋を替えますね!」


と、七階の真ん中の部屋に移してくれたのです。
シーズン中なのに。
でも、理由はなに一つ説明してくれませんでした。
ただ…私は判った気がしました。
友達にも結局は言わず、母にしか言っていないのですが、その前日、私は薄ぼんやりと、黒いセーターに黒いパンツの女性が怒って、泣いている夢を見ていたのです。母も私も、


「その人、生きてても死んでても、ここで辛いことがあったんだね…」


と思いました。

最後に…母親は強し!自分の母親ながら、感嘆&感謝です。


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