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□この話は「Parallei様」が、
2003年9月13日に投稿して下さった作品であります。
■投稿作品第八十三話
国立療養所

え〜っと、俺が20代前半の頃の話。

O〜b市の、国立の療養所の跡地での話し…。

ここって、廃墟が残ってる頃は、有名なスポットだったんだよ。
ラジオ番組で紹介されたりもして… 結構繁盛してたんだ…。
周囲には、施設柄、民家も無かったしさぁ…。
その、全盛期から…10年近く経った頃の話するよ…。





その日…夜だけどさぁ…友人と俺と、女性二人で4人の構成。
友人のクルマで当てもなく、ウロウロしてたんだよ。

で、なんか、刺激が欲しくなってさぁ…昔懐かしい有名スポットへと、目的地を定めた。

そこって、有刺鉄線があるんだけど…隙間だらけで簡単に侵入出来たんだ。
で、通路だけが、奥に伸びてた。
建物は無くって…背の高い雑草が生い茂ってたんだ。

でね、進入して間も無く、10m以上かなぁ…松の木がたくさんあってね。
その、隙間から…高さは、10m近いんだ けど…裸電球のような光を、視認したんだ。
その時は、気にならなかったんだよ。雑草の動きが変で、そっちに関心が移ってたからさぁ…。

てっ言うのは目に見える雑草が、皆、通路に向かって波打ってたんだ…。
明るい月夜で、はっきりと、 その現象は確認できたよ。
で、何となく、危険な雰囲気がしたから、撤収かけたんだけど…友人と、彼の彼女は、進入口に向かっ て、走り始めた。

でも…ん…? 俺の彼女…奥へ向かって、どんどん早足で歩き始めた。
「危険・まむし…」なんて看板が目に付くし、通路の先は、池だし…。

俺…彼女の腕つかんで、引き返そうとしたら、振り払われた。


…なんで?


ちょっと離れた所に、 白っぽい人影見えてるし…ちょっと、怖い状況。
でね、俺、彼女を抱きかかえて引き返したんだ。
…標準的な行動だよね…。
抵抗する彼女抱きかかえながら、進入口に向かって走ってた俺…。
突然、目の前が真っ白になって、彼女と 一緒に、後ろ向きに倒れてしまった。


…障害物なんて、何にもないところだよ。


草原の中の一本道、てなロケーション。
痛みは、感じなかったけど、衝撃は、結構有ったんだ。
顔に、何か…重量が有るものが、ぶち当たった感覚だった…。
即、起き上がれたんだけど、もう、パニック・・無我夢中…。

間も無く、彼女抱きかかえて、進入口から脱出完了…。
で、気分転換にゲームセンターに向かったんだ…。
俺の彼女、訳も無く泣いていたし…。明るい場所へ行きたかったんだよ。

ゲームセンターの中に入ってから、友人が気がついたんだけど、俺の顔…何十…何百…?細かい傷が、無数に付いていた。



このスポットでは…何度も、妙な体験したけど…

怪我までしたのは、初めてだった。


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