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□この話は「風来坊様」が、
2003年8月15日に投稿して下さった作品であります。
■投稿作品第八十一話
東京はどっちですか?

多くの犠牲者が出た日■機墜落事故。
現場は群馬県御■鷹の尾根であることは有名ですが、実はこの現場に一番近い民家は長野県側にあったことはご存知でしょうか。
墜落当時、付近を流れる渓流には犠牲者の遺品が流れ着いたり、風の具合で異臭が流れたりしたそうです。


それは墜落の翌年のことでした。
その民家付近には「某雑誌社」の主宰するキャンプ場があり、毎年夏のイベントに参加するため、多くのキャンパーが至る所にテントを張っていました。

我々はそのキャンパーを世話する傍ら、仲間内で集まりバーベキューをしていたのですが、夜8時頃山の方から20人近い団体が降りてきました。
電灯もない暗い山道のこと、普通は懐中電灯で足元を照らさないと歩ける場所ではないのですが、この人たちは何の躊躇いもなく歩いてきます。


「何回も来てる人たちなんだな」


と思いながらも眺めていると、ある違和感に気がつきました。
服装がおかしいんです。


スーツを着ている人

和服姿の人


…とてもキャンパーの服装ではありません。
思わずみんなで顔を見合わせ、再び彼らのほうに視線を戻すと…



誰もいない!

(道はその先真っ直ぐで姿を隠す場所はなく、またそんな大人数の人間がわずか数秒の間に数百メートルを移動するのは不可能です)



みんなで建物の中に飛び込んだのは言うまでもありません。



後から聞くと、キャンパーの中にも目撃した人や、



「東京はどっちですか」



と声を掛けられた人もいたそうです。
(またこの家に住んでいた人は、金縛りや、人の話し声、足音を聞いたことなどは数え切れないほどと言っていました)

今この一帯は誰も住まない廃村と化しています。


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