□この話は「ごんず@霊感無様」が、
2002年1月24日に投稿して下さった作品であります。
■投稿作品第六話
某独身寮:2

私は以前も書きましたように、恐らくは全く霊感と云うものに縁がありません。
この寮の概要は1に書きましたので、そちらをご覧下さい。

この北棟1階の女性社員の自殺に関しては
先輩の話では7年前ということでしたが、
人事課に仮配属になった同期の人間は否定していました。
しかし、この人事課の彼は後に、人事課長から口止めされていた事を
告白するわけですが。

この様な話は直ぐ広まります。寮の中には、

「俺はその部屋で寝る。聞こえるか、何が起こるか、確かめる。」

と言う者も出てきました。
それで、ある日の夜、例の部屋に布団を持ちこんで寝たのです。
不可思議な事を信用しない真面目な奴だったように思います。
次の日の朝、
「何にも起こらない、何も聞こえなかった、睡眠不足だが。」
と起きてきました。
彼は私と同じ部所に配属されていましたが、

彼が突然、行方不明になったのはその「冒険」から1週間位後のことでした。
会社には来ない、寮には居ない、実家にも帰っていない。そうゆうことでした。
彼は仕事が出来たので、入社すぐから、仕事(ソフト開発)をやらされていました。
1ヶ月位後、実家に戻ってきたとゆうことでした。
過度なストレスで駄目になったとの話でした。

しかし、彼は真面目な人間でしたから、私には1ヶ月も誰にも連絡もせず、
すべて放棄する人間には思えませんでした。



私がお伝えしたかったのは実はここからです。

私達が入寮した時から暫くは管理人が居なくて、
人事課の男性社員が交代で泊まり込んで管理人をしていました。
そんな事が2ヶ月程続きましたが、管理人が決まったようで、
60歳手前位の夫婦がやってきました。
非常に温厚そうな印象がありました。
この寮では、管理人の居住施設もありましたから、
そこで暮らすわけです。
御2人とも、非常に好印象でした。
寮の住人みんな例外なくそう思ったと思います。

管理人さんが来て、1ヶ月程すると、奥さんのほうの姿が
殆ど見られなくなって、ご主人に聞くと

「疲れて居る様で、寝ている。」

という答えでした。
この頃冗談で、私達は

「死んでんじゃないか」とか、
「逃げられたんじゃないか」

とか言ってたわけですが。
ある日の朝、隣の奴(毎日迎えに来るのが通例)が迎えに来た時、

「昨日の夜2時ごろ、管理人のおやじが庭に出て、ずっとうろうろしてたんだよ。
最近おかしいよな、管理人。」(私達の部屋からは庭が見える)

と言うので、管理人がおかしいと思っていた私はその夜、
隣の奴と庭を監視することにしました。



その夜、管理人のおやじは庭を掘っていました。
何箇所も掘っていました。夜中の2時過ぎです。
普通ではありません。おかしいのははっきりしていますが、
立ち入りたくないという気持が強かったです。
この頃、半分冗談で、

「かみさん、埋める気じゃないか?」

とか私達は言ってました。
その位奥さんは姿が見えませんでした。
管理人のおやじに聞くと

「夜中、庭で何してるんですか?」

「何もしてない、変な事言うなあ。」

と言う。
しかし、殆ど毎日、夜中おやじは庭をうろついてるんです。

この頃になると、おやじの顔つきは変わり、
寮に来た頃の温厚そうなものでは無くなっていました。
言動もかなりおかしくなってきて、私達の話題によくのぼるようになりました。

ある日、残業前に、一旦寮に帰ったとき、
おやじが私に意味不明な事を言ったので、私が

「何言ってんですか」

と言った時に私を見た目は、赤くなっていました。
人間の目ではありませんでした。

私は、この後1ヶ月程してアパートに引っ越しました。
私が引っ越して1週間程して、管理人夫婦は行方不明になりました。
人事課に配属された奴の話では何の話もなく、居なくなったとのことでした。
行方不明になる前に奥さんらしき姿を見た人も居るようなので、
殺人事件ではないでしょう。

この寮は後で聞いた話には、前任管理人夫婦2組が
突然姿をくらまし辞めていたのです。
そして、その内の1組は行方不明になったすぐ後、亡くなっていたのです。

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