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□この話は「kybou@様」が、
2002年11月3日に投稿して下さった作品であります。
■投稿作品第五十五話
病院

僕は、都内に住む22の専門学生です。
TVや映画のように頻繁に見えてしまうことは無いのですが、幼い頃から怖い体験が多いので、今回はそのうちの一つを紹介します。





中学生2年生の冬に風邪をこじらせ、検査の為、近所にあるK病院に入院した時のお話です。

病院にはその一週間くらい前から通っていましたが、なかなか熱が下がらなかったので、いろいろ検査をするとの事でした。
僕の入った病室は2人用の個室でしたが、隣のベッドには誰もおらず、部屋は1人で使うことになりました。

入院2日目、薬の為か、熱も下がり普段と変わらなく元気になった僕は、夕方から見舞いに来てくれた友達と学校の話をしていました。

そして深夜、僕は一瞬ヒヤッとした感覚を受け目を覚ましました。
時間は3時半くらいだったでしょうか。
最初は看護婦さんが見回りか何かで部屋に入って来たのだと思っていました。
しかし、足音も何もしなかったのでそのまま寝ていました。
少しして寝ていたベッドの足下の方へ


「スゥー」


っと布団が下がっていたのです。
最初は、布団がずり落ちたのかと思い、両手で引っ張りました。
しかし、布団にしては重かったのでふと、視線を足下へ向けてみました。
足下には柵があり布団はその隙間に入っていました。
おかしいな、なんであんな隙間に…。

しかしよく見ると手(腕)が見えるので僕は驚きました。


「誰か居る」


そう思い、視線はそのままでナースコールに手を伸ばしました。
しかし、なぜか僕の腕は動かなくなりました。

視線の先には長い黒髪の女性と思われる人物が柵の向こう側にいて、目までを布団の上まで覗かせて、上目使いにこちらを見つつ、柵の間から腕を伸ばし布団を引っ張っていたんです。
僕は怖くなり布団を必死で奪いとるように引っ張ると、その日は眠れずに朝を待ちました。

そして、その次の夜もまた同じ時間、それは来たのです。
しかし、今度は足下から上がって来る感じでした。
布団の上からゆっくりとこちらへ歩いて来るのです。
足下からだんだんと重くなる布団、僕は布団にもぐり、じっと目を閉じていました。
ついにそれはすぐ肩の所まで来ていました。
そして、何か言っていたのです。
はっきりした言葉ではありませんが、直接、耳の奥に響くような感じでした。

結局4日間、同じ事が起きました。
6日目からは隣に新しい患者さんが入院してきて、それからは何事も無くなりました。
とにかく怖い体験でした。

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