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□この話は「T.K.様」が、
2002年9月8日に投稿して下さった作品であります。
■投稿作品第四十八話
マラソンマン

これは、数年前、私がまだ20頃の体験です。

横須賀に「阿部倉」と呼ばれるところがあります。
今は改装されて綺麗になっていますが、長さ700〜800mくらいのトンネルで、当時はまだ、小さく電気も途中までしかついていないというような状態でした。
地元では有名なスポットで、マラソンするの霊が出るという話でした。

地元の友人五人と興味本位で出かけ、車を降り細い山道を500メートルほど上っていくと真暗な中にポツンとトンネルが口をあけています。


「出る日は入り口に洋風の人形が置いてある」


という話だったので入り口を見ると、


小さいフランス人形


が置いてありました。
友人と期待に胸を膨らませ、入っていきました。

入口から10メートルくらいの場所までは電気がついているのですが、それ以降は暗闇です。
僕ら五人はその電気の途切れ目あたりまできました。

そのとき、前方の暗闇の中から何かがこちらへ向かって来ます。
ヨチヨチと、蛇行して無邪気に走る子供のようでした。
それが、近くに来るにつれ少年のようになり、青年のように見え、だんだんこちらに迫って来ます。
僕らは怖くなり、ふたてに別れトンネルの両側にどきました。
そして、僕らの横を通りすぎるころには…


初老のおじさん


でした。足があり


「ざっ・ざっ」


という音は聞こえたのですが…
これだけ走っているにも関わらず…息をしていないのです。
顔も真白で…ランニングも…真白でした。

僕らは恐怖がかなりありましたが、それより


「こんな暗い道どうしてきたんだろ?この先、どうなってるんだろ?」


と思い、出口まで行く事にしました。
出口に出てみると、そこは「大楠山」という山に続く道なのですが、真暗でとても人が走れるような道ではなく、水溜りも多数あって、とても人が通れるような道ではなく、ましてマラソンなぞ到底ムリな地形です。
トンネルを出て30秒ほどしたとき、僕らの目の前を一筋の光が


スゥゥゥゥッッ…


と横切りました。
みんな、パニくって、一目散に入り口のほうへと逃げました。


今考えると…

あれは…

何だったんでしょうか?

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