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□この話は「ミッキー様」が、
2015年8月20日に投稿して下さった作品であります。
■投稿作品第二百九十六話
病院

夏の風物詩と言えば、祭りや海水浴に花火、そして納涼…。
これは、俺がまだ10代の頃の話。

特に目的もなく、ただ漫然と世間話をしていた。
そして、どうせ暇ならととある廃病院へ行くことになった。
人数は三人。俺と友達二人だ。

到着した途端、街灯も無ければ窓ガラスは割られ、落書きだらけの異様な雰囲気を醸し出していた。
一応、ネットでこの廃病院の情報は出来る限り得ていた。
真っ先に気になったのが地下の霊安室だ。
だから到着して直ぐに霊安室への入り口を探した。
だが、何度探しても見つからない。
その時…友達の1人が言い出した。

「あの塞がれてた扉は?」

1ヶ所だけ謎な事に、溶接が施され開閉出来ない扉があった。
でも、あの扉が正解なら入れないな…。

となりの友達二人は、単純に雰囲気を楽しもうと屋上に向かった。
俺は残った。
と言うのも、皆別ルートで屋上に向かう話だったからだけど、1人だと病院の中へ散策に行こうが外に居ようが、対して変わらない。
辺りはそれぐらい暗闇だった。

2Fに着いたら、ふと気配に気付いた。
誰もいない、病室の椅子に人影が!
恐怖の余り目の錯覚か!?と思い、目を擦り、もう一度見た。
…人影は無くなっていた…。

やっぱ錯覚か…。

前方に向き直した直後、30メートル位先だろうか。

…人影が…

あれ?やっぱいたのか?
でもおかしい、同一人物だったら一瞬であっちに行くの何て不可能だ。
ましてや俺の周囲を一回通過する必要がある。


ヤベー!!!


携帯の明かりだけを頼りに進んだ道を感覚だけで引き返す。
途中一度転んだ。
でも人間、本当に身の危険が迫ると、小さな危険は気にならなくなるものなのか、痛さよりただひたすら逃げた。

外に出たら、友達二人が屋上ではしゃいでいた。
あの人影は何だったのか?
もしかしたら、あの霊安室…中に相当ヤバい秘密があったのでは?
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