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□この話は「ユキナ様」が、 2010年7月3日に投稿して下さった作品であります。 |
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■投稿作品第二百八十九話 メディアで扱われない場所には |
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初めて投稿させていただきます。 ある心霊スポットと呼ばれる場所に行った時の話をさせてください。 もともと“居る”と背中が痛むって程度の微かな霊感はあったのですが、実際に姿を見たことがある訳でも無かったので、別段恐れることも無く、かといって馬鹿にしたり眉唾にする訳でも無い…そんな人間でした。 その心霊スポットは冗談抜きで危ない場所なので、明記することはやめておきますが、友人A、B、C、私の4人で行きました。 車でガンガン入って行く最中、いつもと比べものにならない程の背中の痛みに襲われ、これはヤバいんじゃないかと不安はあったものの他の3人は霊感とは無縁な人間なせいか、私の制止も聞かず…。 暫く進むと申し訳程度の『立入禁止』のボードの掛かった縄が行く手を阻みました。 私が 「もうやめた方がいい。今すぐ帰るべきだ。」 と、伝えてはみたものの、Aは全く聞き入れてはくれず、そのまま縄をはずし車を進めました。 立入禁止を越えて暫く走った頃…背中の痛みは既にピークを越え、痺れともゾワゾワともムズムズともなんとも形容しがたい感覚でした。 『帰りたい。ここに居たくない。』 そんな気持ちに支配される中、運転席にいたAが恐ろしいことを言い出しました。 「今日はここで車中泊するから(笑)」 そんな話聞いていない。 だいたいそこに着くまで、食べ物は疎か水分だって殆ど用意していなかったんです。 何度か馬鹿4人、車中泊をしたことはありましたが、食料等はキチンと用意していました。 不安げにする私に、横に居たCが笑いながら 「どうせサプライズのつもりで、本当は食料詰んでるんでしょ」 なんて言っていましたが、そんなCの笑顔は次の瞬間には消えてしまいました。 振り返ったAの顔が、どう見ても別人なんです。 20代前半の彼の顔が、40代半ば程の男性の顔になっていました。 あまりの衝撃に声も出せずにいると、ぎこちない仕種で助手席に居たBが青ざめた顔をこちらに向け 「ヤバい」 と目で訴えてきました。 後にして思えば、獣道を走っていた時の運転は異常だったように思います。 決して走りやすくは無い道だったのに、必要以上のスピードが出ていたし、その位からいつも明るいBが、一切口を開いていなかったのですから、もしかしたらその時にはAはもう憑かれていたのかもしれません…。 長くなるので少々省きますが、その後勇気を振り絞りAを運転席から引きずり降ろし、Bが運転になり帰路につきました。 しかし、本当の恐怖はここからだったのです。 とにかくAが怖かった私達は、引きずり降ろしたAを車に詰んであった、アウトドア用(?)の紐で縛り上げ、3列シートタイプの車だったので1番後ろに押し込み、運転B、助手席私、2列目にC、3列目にAで座っていました。 峠道のような道を下っていると、Cが私の肩を叩きます。 何だろうと振り返ろうとしましたが 「そのまま聞いて」 と、緊張の滲むCの声に一瞬で硬直状態になり、Cの声だけに耳を傾けました。 「今ミラー見たら、Bの顔がさっきのAと同じ顔になってる…」 ビックリし過ぎたせいか、恐怖はあまり感じませんでした。 横目にBを確認しましたが、いつもと変わらぬBの横顔です…。 ただ、峠道で急カーブだってあるのにBはぐんぐん速度を上げ、ついには140キロになりました。 前方に大型トラックが見え、クラクションを鳴らしながらパッシングをしてきます。 その刹那、Bは正気に戻ったのか 「え??」 と、声を上げたと思った時には車がガードレールに突っ込み、あと少しの所で崖に落ちる寸前でした。 トラックのドライバーさんがとてもいい人で、慌てて降りてきて下さり、警察への通報と救急車を呼んでくれました。 私とB、Cの怪我は大したことなかったのですが、縛っていたAは踏ん張ることも出来なかったせいでそのまま体を強打し、即入院になりました。 警察が到着し、事情聴取をされ全てを話しましたが、まともに取り合ってくれる訳もなく、むしろAを縛っていたことに対して疑われ凄く怒られました。 車が破損してしまったので、その日は近くの旅館にBとC、そして私は泊まることになりました。 ずっと緊張が続いたせいか、疲れていたので温泉に入りすぐに寝てしまおうと思い、早々に入浴も済ませ、風呂から部屋に向かう途中でBに会いました。 その時のBは、階段の踊場に直立不動で立ち、何故か私の声にも何の反応も示しません。 不思議に思っていると、急にフワッとBの体が直立不動のまま倒れ、階段を落ちてしまいました。 一瞬の出来事だったのですが、異様な光景に私も側に居た他の宿泊客も茫然としていたのもつかの間……首が後ろにダラリと垂れ、あからさまに 『骨の折れているB』 が、私の目の前に立っていました。 声を出す間もなく、凄い力で首の骨が折れたBが私の首を絞めました。 側に居た宿泊客がBを引き離してくれたのですが、もがいている時たまたまBの背後に鏡がくる体制になった時に見てしまったんです……ダラリと後ろに垂れたBの顔が、大きく口を開けて笑っている40代半ば女になっているのを…。 また警察がやって来て、もう動かなくなったBを見て私の証言を 「首の骨が折れてるのに動くなんてありえない」 と言っていましたし、検死の結果も首の骨が折れて即死でしたが、他の宿泊客も間近で見ていたので警察は混乱するばかりでした。 その晩は結局明け方まで部屋に戻ることも出来ず、一睡もしないままCと家に帰りました。 不可解な友人の死にCも私も殆ど口を開くことはありませんでしたが、もっとちゃんと話しておけば良かったです……。 その日の夕方、Cのご両親からCが居なくなったとの連絡が入り、翌日変わり果てたCが昼も夜も交通量の多い国道の側溝で見付かりました。 側溝から手が出ていた為にCは見付かったのですが、その状況もおかしいのです…。 ずっと開けられていなかった側溝の蓋は、手で開けられるような代物ではありません。 しかし、バール等を使った傷も無ければ、苔が剥がれた痕跡も無い…勿論人が流れられる幅も無い…。 呼ばれて出向いた警察署で、現場検証の写真を数枚見させられ 「何処に行った?」 と問い詰められました。 その写真にはあの女の顔が写っていたのです。 全て正直に話した時、突然Aの父から私の携帯に連絡が入りました。 「Aの様子がおかしい」 と……。 事情を話すと、その刑事さんも一緒にAの入院先である病院に行きました。 病室のドアを開けると、隅の方に女は立っていて凄い形相でAを睨んでいました。 女も恐怖でしたが、それ以上にAの容姿も衝撃的でした。 短髪だったAの髪が、たったの二晩で腰まで伸び、体中に引っ掻き傷や無数の痣か出来ていたんです…。 錯乱状態のAは、しきりに 「女が来る…俺を殺しに来る…」 と呟いていました。 Aのご両親は理解出来ず、ただ 「女ってなんだ?女なんていない」 とAに言い聞かせていましたが、ついに耐え切れなくなり 「そこに女がいる」 と言ってしまいました。 勿論Aのご両親も、お医者様も信じてくれる訳も無いのですが、ただ一人、刑事さんだけは信じてくれました。 Cの現場検証写真を見ていた刑事さんは、こんなフィクションのような現実を信じ、すぐに霊媒師さんを呼んでAと私の除霊をすることになりました。 霊媒師さんが病室に入ってきた瞬間、それまでAを睨んでいた女が霊媒師さんを睨みつけ始め、恐怖で私は終始目をつむって女と霊媒師さんを見届けられませんでした。 除霊が半ばに差し掛かった頃、突然霊媒師さんが倒れ、そのまま亡くなってしまいました…。 中途半端に終わってしまった除霊でしたが、病室には女の姿はなくなり不思議なことにAの伸びた髪だけを残し、体中の傷が消えてAも落ち着いていました。 「やっと終わったのか…」 そう思いましたが、まだまだ恐怖は続きました。 その晩にAが失踪し、3ヶ月程たった頃、病院から50キロ以上離れた滝で水死体となって見付かりました。 お金も持っていなかったAが、どの様にそこまで行ったのか…。 なぜ滝壺にいながら、その場で浮き続け、水死体独特の風貌になっていなかったのか…謎は今も残ったままです。 Aが失踪した翌日から、女が私に付き纏うようになりました…。 母にお祓いに連れて行かれても、鳥居をくぐることも出来ず発狂したり、気絶をしたりと全く除霊が出来ない日々が続きました。 また、紹介してもらって自宅に霊媒師さんが来ようとすると、必ずその方が道に迷って辿りつけなかったり、途中で事故に遭ってお亡くなりになってしまったりと、全く関係の無い人にまで巻き込む最悪の状況になってしまいました。 そんな状態が半年程過ぎた頃……背中が痛くなる程度の霊感だった私は、いつの間にかとんでもなく強力な霊感がついてしまい、その女以外の霊も見えるようになっていました。 そんな時、その女と同等の怨霊に出会いました。 この頃の私は憔悴しきり、普段なら絶対に考えないような 「こいつが私に憑けば、女を退治してくれるんじゃ…」 なんてことまで考えていました。 ある日、学校が終わって家に帰ると見知らぬ男性がいました。 私を見るなり、 「やっぱり君か…とんでもないモノを連れてるね」 と言うんです。 意味が解らずにいる私に彼は自分が陰陽道の人間だと簡単な自己紹介をすると、早速お祓いの作業にうつりました。 半年もの間憑かれていたせいで、私の体や精神は他の霊が見える程に女と同化していて、ちょっとやそっとじゃ離れてはくれず2日間もの間不眠不休の、飲まず食わずで除霊をしました。 後から聞いた話ですが、今までたくさんの霊媒師さんが家に辿りつけないなか、なぜ陰陽の先生は私の元に来れたのか尋ねたところ、私が先に書いた 『女と同等の怨霊』 を退治しに来たところ、たまたままだ近くに強烈な怨霊がいることに気付き、近所の家を一軒、一軒回って我が家を探し出してくれたそうです。 もしも母が先生に助けを求めての来訪だった場合には、私の元に辿り着けずに今頃完全に乗っ取られていたかもしれません…。 本当に長くなった上に、フィクションのような話ですが、全て私が実際に体験したことです。 管理人様は、いろいろな心霊スポットに行かれているようですが、メディアで扱われない場所には絶対に行かないで下さい。 本当に危険な場所は責任がとれない等の理由で、メディアでは取り上げないのです。 以上の体験談をサイトに載せることは構いませんが、長いのできっと無理でしょうね(笑)他にも死人が出ていてもおかしくない怨霊の憑いている場所もあるのですが、長くなるのでやめておきます。 もしも気になるのであれば、ご一報下さい。 |
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