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□この話は「天使瀬様」が、
2013年10月28日に投稿して下さった作品であります。
■投稿作品第二百八十四話
ケセランパサラン

烏天狗から数日−冬になったころ、またもや家の前で「怪異」が起きました。

空から『何か』が降ってきたのです。

白かったので時期的にも「雪かな?」と思って包む様に捕まえました。

しかし、雪なら開けるまでに溶けてなくなりますが、明らかにそれは雪ではなく何か種子のようにも思えました。

タンポポの種のようにも見えるが、明らかに大きさが違いますし、浮いているようにも見えます。

そこで私は父方の祖母の言葉を思い出しました。

「H。冬になって雪のような白く浮いたものが現れたら、捕まえろ。そいつは『ケセランパサラン』と言って、捕まえた者に幸福を与えてくれる」

と言っていたのを思い出しました。

祖母は続けて

「決して揉んではいかん。数回揉むだけでケセランパサランは消えて無くなる」

そして、最後に

「ケセランパサランは軽いから、直ぐに逃げてしまう。だから、何でもいいから箱に入れておくことだ。」

とも。

私は急いで家に戻り手頃な箱に入れたのですが、二、三日して様子を見てみると箱が無くなっていました。

事情を知らない母親に捨てられていました。

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