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□この話は「アキ様」が、
2008年3月4日に投稿して下さった作品であります。
■投稿作品第二百八十一話
ボーリング場の女性の幽霊

2度目の投稿になります。
この話も私が30年程前に実際に経験した話です。

その頃、心霊現象や心霊スポットと言った話が話題に成っていて、テレビでもしょちゅう取り上げられていました。私の住む所から本当に近い場所にあるボーリング場にも、幽霊が出ると噂になり、某テレビで放映されていた事もありました。
それを見ていた後輩が、数ヶ月経って思い出すように話し始め行く所も無いし

「良し行って見るか」

と後輩2人と私の3人で清瀬に有るボーリング場に夜中の2時頃向かいました。

車で自宅から20分位なので直ぐに到着。テレビで放送されて直ぐは、報道陣や見物人で結構凄かったそうですが、もう数ヶ月経っていたので、人の姿は全くありませんでした。ボーリング場の営業時間はとっくに終わっていて、屋上のボーリングのピンだけがスポットライトに照らし出され立っていました。

丁度そのピンが良く見える路上に車を止める事にしました。ボーリング場から100m位離れた所です。右前方にボーリング場を見て道路左の電柱の手前に車を止めて、屋上のピンを見ていました。
後輩に

「何処に幽霊が出るのか?」

と聞くと、後輩もその辺の事情は良く知らない様だったのですが、室内ではなく外だと言う事は分かっていた様です。
季節は夏の暑い夜中2時前後。
車の中は蒸し風呂状態で、コーラ片手に

「何処に出るんだろう」

とか他愛の無い話をしながら、30分も経過したでしょうか。私も暑くて我慢できなくなり、

「そろそろ帰るか?別の所にドライブでも行くか?」

と話していると、後部席の後輩が窓の外を見て

「あっ!」

っと小さな声で叫びました。
私達は

「どうしたの?」

と後ろを向くと、後輩は一点を見ながら指差しています。
私達も前方右のボーリング場を見ると、後席後輩が

「上!上!ピンの所!!」

と言いました。
丁度私達から向かってピンの右側に、青白い霧の様な上下に長い物が薄っすらと見え始めました。
その時点では形も良く解らず

「あれは放射冷却の霧だろ?」

何て私も言っていましたが、時間が経つにつれ、何と無く人の形に成ってきたような気がします。
多分時間にして5分位です。そのまま見続けていると

髪の長い和服の様なものを着た女性

に見えてきました。
しかし、未だ怖いと言うような感じは無く、ただ霧がそう言う風に見えるのだろうと半信半疑でした。

すると数分もしないうちに、全身が真っ白の髪の長い和服の女性の姿がハッキリに見えるように成りました。
此れはヤバイと、私はエンジンを掛けて逃げる用意を無意識にしていました。
すると後輩2人が

「ギャー」

と言う悲鳴をあげたので、ピンの脇を見ると顔が有りました。
目鼻口がハッキリ見え、完全に人間の形をしています。
私もビックリして車を発進させると、何と電柱の手前に止めたものですから、電柱に思い切り車をぶつけ、慌ててバックし逃げ帰りました。
その時、バックミラーで後ろを見た時に、丁度スポットライトで照らされたピンが見えましたが、その右脇に

白い人影が屋上から飛び降りた

様に見えました。

何処をどう通って自宅に帰ったか解りませんでしたが、気が付くと自宅前に車を止めていました。皆の第一声は

「出たな…」

でした。
そして車の左前はヘッドライトは割れて、バンパーやボンネットまで曲がっていました…。
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