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□この話は「タッツー様」が、
2002年4月30日に投稿して下さった作品であります。
■投稿作品第二十八話
コッチヘおいで…

つい先日のことです。
町■市の小■田町という郊外の田園地帯(住民の方がいらっしゃったらゴメンなさい)に、私の友人が新築の一戸建てを建てたと聞き、妻と二人の子供、そして彼と私の共通の友人である“K野”という男と共に、愛車でその町■市小■田町に向かいました。

彼の家は、昨年の高校野球で優勝した日大三高と、神奈川中央交通の折返し地点のほぼ真ん中にあり、近くに“大■寺”という大きな寺院がありました。
友人の家で、夕食をご馳走になり、さて帰ろうか、と、愛車に乗り込み走り出しました。
しかし、暗闇の道だった為か道を間違え、どんどん山の方へと登っていきました。
ふと横を見ると、横浜市内の自宅のすぐ近くを流れている“鶴■川”の源流という所がありました。


「パパ、何か聞こえる」


妻に抱かれて眠っていた息子が、急にそんなことを言い出しました。


「どこに?」


私が尋ねても、息子は、首を左右に振るだけです。


「ユーレイでもいたか?」


K野が、ふざけてそう言いました。
すると突然



「ドン!」



という音が車内に響きました。
カーステレオから流れているのは、二人の息子が大好きな、ミニモニの「ミニモニ。ひな祭り」である。
そんな衝突音のような効果音が聞こえてくるような曲ではない。
とりあえず、私は車を、暫くの間走らせ続けました。

暫く走ると、都道に出ました。道路脇の看板によれば、京■線の南■沢駅の近くらしいという事が分かりました。
その後、国道16号線沿いに横浜の自宅まで帰り、落ち着いた所で息子に、


「さっき何が聞こえたんだ?」


と、尋ねた所、何と、女の声で、




「コッチヘおいで…」




と、聞こえたというのです。
その後、車の周りを点検した所、ガススタンドで洗車したばかりだった筈の青いル■ー・カン■ーの屋根に、手の跡らしきものが残っていました…。




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