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□この話は「ダボチンガー様」が、
2013年8月5日に投稿して下さった作品であります。
■投稿作品第二百七十九話
鏡…

付き合っていた彼女と暮らすようになって、半年くらいたった時の話です。
一緒に暮らしていた部屋の間取りは、2階に居間があり3階が寝室という1LDKメゾネットの古いマンションでした。

ベッドの横には、彼女が使っていた鏡台がありました。
三面鏡は常に開いていたのですが、妙な事に鏡台の天板が夜になると

“パチ、パチ、カンカン”

といった感じの不自然な音が、かなり大きく鳴りはじめます。
鏡台は手を伸ばせば届く距離でしたので、二人そろって何がなぜ鳴っているのかとても不思議でした。

あるときは数時間、あるときは朝方までと二人共に寝不足になってしまい、怖いよりもほとほと困っていました。
盛塩やお札を貼ったり、お寺にお祓いに行ったり、お墓参りに行ったりとありとあらゆる事を試してみました。すると、その時は怪音は鳴りやむのですが、数日後には再び始まってしまうという事の繰り返しでした。

そうこうして月日が流れ半年も経過する頃には、怖いという感情よりも、怒りがこみ上げるようになりました。

ある時、また鳴りはじめたので

「おら!いつもパチンじゃなくて、違う音でも出してみろよ!!」

と大きな声で叫んでしまいました。
その瞬間、何と空中で

「ガサガサガサ」

と3回大きな笹の枝葉をゆすった様な音がしたのです。
音が鳴ったと思われる場所から1mと離れておらず、草木なんか何も有りません。
彼女も驚いて、私に

「怒らせないで!!」

と叫んでいました。本当に驚きました。

後にあるテレビで、三面鏡を寝室に置くのは良くなく、また置く場合には必ず鏡は閉じておかないといけないという事を知りました。そこで三面鏡を閉めたところ、やっとパチパチという音はしなくなりました。

それから、4〜5年ほど経ち、同棲していた彼女と結婚しました。
その彼女と泊まりでゴルフを楽しむため、ある湖の畔にあるシティホテルに泊まった時でした。
深夜12時頃にベッドに入ったのですが、何気なしに周辺を見ると、ヘッドボードには大きな鏡が有り、また枕元にオルゴールがあるのに気が付きました。
そして部屋のあちこちから、あの

“パチン”

という怪音がしています。

「また?嫌だなぁ…」

お互いに嫌な気分になりながらも、「早く寝てしまおう」という事になり、何とかウトウトとし始めた時です。


「ポロポロポロン♪」


開けてもいないのに、枕元のオルゴールがいきなり鳴りだしたのです。


えっ??


驚き慌ててオルゴールをチェックしてみました。
案の定、開けると音が鳴る仕組みの物でした。
しかも、ゼンマイが全く巻かれていないにも関わらず鳴ったのです。

彼女とただ茫然としていたのですが、再び睡魔に襲われ眠りそうになりました。
すると、またしても

「ポロロン♪」

開けてもいないのに、オルゴールは鳴り始めました。

鏡…馬鹿に出来ません…。
皆さんも気を付けて下さい。
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