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□この話は「瑞井彼方様」が、
2012年7月24日に投稿して下さった作品であります。
■投稿作品第二百七十四話
陸上部

はじめまして、こんにちは。
先日このサイトを発見し、楽しく読ませていただいてます。
怖くはありませんが、霊と思われるものを見た話をさせてください。

私は高校時代、陸上部で短距離をしていました。
1年生の冬、放課後に練習していた時です。

その日同じメニューをこなしていたのは男の先輩二人でした。(私は女です。)
先輩たちはとっくにゴールし、私に声をかけてくれています。

へろへろになりながら走っている時、私が走っている方向と垂直な向きで、先輩の後ろを走っている人が見えました。
学校指定の体操着と似た色合いの服で、見事なスプリントフォームで走っています。
しかし、グラウンドの端っこで、そのまま行ったらフェンスに激突するような所なのに、そんなガチで走ってるのはおかしいなと思いました。

そしてその人は、一人目の先輩の後ろを通り抜け、二人の間から見える所で突然フッと消えてしまいました。
走り終えてその周辺を少し見まわしましたが、私と先輩たち以外には誰もいません。
その時は

「ただ走ってただけで害は無さそうだからまぁいいか」

と思いました。
しかし、約半年後の2年生の夏休みの時に、再び遭遇しました。

今度は姿を見たわけではありませんが、インパクトがかなりありました。
すでに先輩たちは引退し、その日は私と後輩の男子数人で練習していました。
一番足が遅い身なのに、部員をまとめなければいけない立場でプレッシャーを感じていました。
あと昼間なので、えらく暑かったことを覚えています。

詳しい理由は忘れてしまいましたが、

「真面目にやれ!」

的な感じで後輩たちに怒鳴ってしまいました。
「しゅん」として歩く後輩たちの背を見ながら歩いていた時

ふぅっ

と、首筋に冷たい息が吹きかけられました。
すごい勢いで振り返って怒鳴ろうとしましたが、後ろには誰もいませんでした。
そして頭の中に

「まあ落ち着けよ」

と声が響きました。
そして半年前に見た人を思い出しました。
今自分がいる場所は、そのすぐ近くです。
絶対に同一人物だと思いました。
その日はそれ以降暑さを感じませんでした。
悪寒的な意味で。

後日、同期のマネージャーの友達Aにその話をしました。
するとAも同じ人物と思われる霊を見たと言います。
みんながクールダウンをしている最中、Aは一人でグラウンド脇の倉庫に道具を片付けていました。
その時に倉庫のそばに真っ白な人影がありました。
特に何もしてこなそうなので気にせず作業を続けたそうです。

共通して言えるのは「一人でしんどい」と思っているときに現れたということです。
私の場合は「女一人で〜」、友達は「仕事やるのが一人で〜」ですが。

どういう人なのか詳しくはわからないけど、心配してくれてたのかなと思ってます。
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