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□この話は「papiyonmasuku様」が、
2012年6月21日に投稿して下さった作品であります。
■投稿作品第二百七十二話
米軍基地跡

あれは、数年前の夏休みに数人の友人達と肝試しに興じてた頃…。
よく行っていた多摩墓地(霊園)は飽きたから、何処か他の所に行こうと言う話になり、友人の内の1人が

「なら近くに良い場所があるぜ?」

と言うので、

(あそこは廃墟で立ち入り禁止何だけどな…まぁ行こう)

なんて思いつつも、その廃墟に向かう事になりました。

現地に着き、入る前にふと見ると、猫が集団で集まっていたり、居ないはずの梟が鳴いていたりして不気味だったのを覚えています。

そしていざ入ってみると、少し大きな石(墓石)の様なものがあり、其処には人の顔の様な物が見えていました。
目を凝らして詳しく見てみたのですが、やはり顔でした。
まるで此方を睨んでいるかの様な表情でした…。

それだけでも嫌な予感がしながら、以前にこの廃墟に入ったことのある友人に、

「あそこにあるのは墓石なんかな?」

と聞くと、

「其処には何もないぞ?」

と言われました。
瞬間的に嫌な汗が背中を流れていくのが分かりました。

少し進むと倉庫の様な物があり、中に入ると壁に人の影の様な物がありました。
気味が悪くなり、倉庫は早々に引き上げて別の場所に移動した時の事です。
狭い廊下を歩いていると、突然生暖かい風が吹いてきて、僕等の歩いてきた方向から

ヒタ…ヒタ…

と足音が聞こえてきました。
その瞬間僕の後ろに居たK君が突然走り出しました。
僕達も慌てて後を追い中央の広場の様な所に出て、そこで何故走り出したのか聞くと、後ろから

足の無い兵隊

がいっぱい此方を恨めしそうに見ながらゆっくりと歩いて来ていたらしいのです。
まさか、と僕が言おうとした時…突然遠くから

「キャーーーーーッ」

という女性の悲鳴が聞こえてきました。
他の人達が居るのかなっと思い、面白がってるのかな?と軽い感覚でいたら(僕等は男数人で来ていたため)今度はすぐ近く僕の耳元付近で聞こえました。
その後僕達は記憶が無く、気づいたらいつの間にかコンビニに居ました。
後で聞いた話によると、あそこには米軍兵の幽霊が出るらしくそれに遭遇すると殺されてしまうと言う話を知人から聞きました…。

あの時聞いた女性の悲鳴は何だったのか…。
今思い出しただけでも怖いです…。

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