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□この話は「あさぎ様」が、
2010年12月11日に投稿して下さった作品であります。
■投稿作品第二百五十二話
職場での話

今から約10年ぐらい前の事です。
その頃の私達にとって「心霊ツアー」とは、深夜の暇つぶ程度の事でしかありませんでした。
その日も友人数人と車に乗り、行くあてのないドライブをしていました。
その時ふと一人が

「肝試しに行こうよ!」

と言い、都内の某公園に向かいました。
幼少の頃より私が、幽霊のようなものを見てしまうと言うことを友人は知っていて、

「本当に見えるのかなこいつに?」

と、その公園を選んだと後に言われました。
その公園には貝塚のような遺跡が残る公園で、深夜でもさほど暗いわけではなく、怖いという感覚には一見して感じられない場所でした。

公園の狭い入り口を入ると、正面にY字に枝分かれした木が立っていて、その下を通過しようとした時のこと…。
目の前が白黒の映像に…???
空中に赤いスカートをはいた足が
すーっと現れたのです(風景は白黒なのにその足はカラーなのが不思議でしたが)
まわりの友人には見えていないようで、何のためらいもなく歩きつづけていたので、私も
「今のは見なかった」
「気のせいだ」

と自分に言い聞かせそれに続きました。
その奥の貝塚のような所にさしかかった時、私の背後に急激に迫る人の気配を感じました。

「ぞっ」

として振り返ると、真後ろの延長線上に先程のY字の木が見えていました。
友人は私の顔をみて

「何?何かみえた?」

と問い掛けられましたが、今の状態で言うと全員がパニックになるし、それ以上に自分自身が

「これ以上 そのY字の木に関わりたくない」

と思い

「いや…別に」

と返しました。
が!しかし、それを許さない状況になったのです。
なぜかみんなが一斉に立ち止まって動かない…。
何かを聞いているようでした。

「ガサ…」

「ゴソ…」

まるで公園の木々の間を人が歩くような音でした。
そして一人が

「き…きこえた?」

と言うと

「足音?」

ともう一人が答えました。
その瞬間 大パニックに陥り、一目散に駆け出し、車に向かって駆け出しました。
何とか無事に車に戻り、私は先程見た

「空中に浮かぶ足」

の事を話しました。

「風景は白黒なんだけど、何故かスカートの色ははっきりしていて女の人の足が目前に現れたのだと」

と言うと この公園に連れてきた張本人の友人が

「実は数年前、この近所のラーメン屋で自分がバイトをしていた時、出前でこの公園の前を通って、その時、警察が到着したばかりだったのか赤いスカートの女の人が首を吊ってY字の木からぶら下がっていてたんだ!」

「で霊感がある奴なら何か見えるかと思ってここにおまえを連れてきたんだ、ごめん」

と言うのです。

まぁ それ以上の事はないだろうと一段落し、明け方近くの時間になっていたので、同乗の友人順番に家に送ろうと車を出そうとした時でした。
自分座席のヘッドレスト部分に嫌な感じを受け、バックミラーを見ると自分の座席のヘッドレストの後ろから、女の人が私を見ていたのです!
その瞬間、車を急発進させその公園から離れました。
しかし、その女の存在が消えない気がして、もう一度公園に戻り

「ごめんなさい もうここには来ません。どうか私から離れて下さい」

と両手を合わせ家路につきました。
その公園には、それ以来いってませんが今でも何故か家でとる写真に、その女の人らしき物体が映る事があります…。

あれから10年。
心霊ツアーに行かなくなりましたが、何故か今年になって

「久々に行こうかな…」

などと考え、路地裏を参考に一人ツアーに出かけていたりします…。
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