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□この話は「さき様」が、
2010年7月6日に投稿して下さった作品であります。
■投稿作品第二百四十四話
恐怖の3日間


あれは6年ほど前のことです。
当時、私は大学生でした。

実家は地元でも有名な救急病院の近くにあり、近隣の市からもよく救急車で患者が搬送されている光景を見かけるようなところです。
そういうところに住んでいたからか、私は生きている人…ではないものを見ることが多々ありました。
そんなこともあって、いつもは

「あぁ…またか…」

と、見えても流すようにしていたのですが、この時ばかりはどうすることも出来ない事態に陥ったのです。

それは蒸し暑い夏の夜のことでした。
元々眠りが浅く、少しの物音や話し声で起きてしまう私なのですが、この時は爆睡していました。
が、いきなり全身が重くなり、お腹辺りに

ズシンっ!

という衝撃が走ったのです。
いわゆる金縛り状態の中で、私は自分の置かれている状況を把握したくて目を開けようとするのですが、どう頑張っても目が開かないのです。
まるで自分の目じゃないみたいな感じで、どれほど力を入れても開かないのです。
目だけではありません。体中、どの部分も動かないのです。

それでもどうにか頑張って、こじ開けるかのように目を開けて…私は後悔しました。
私の目の前に広がる光景といったら…
なんと!!お腹の上に

もんぺ姿の女性

が乗っかって私を見下ろしているではありませんか!
しかも、しきりとボソボソなにかを呟いているのです。

じっと無表情で私を見下ろしている、その女性の顔も怖いのですが、なにより怖いのは、その女の人の後ろに、別の男性が“ゆらゆら”と揺らめいていたのです。

2人もいっぺんに出てくるなんて最悪や!

と思った直後、さらなる衝撃が私を襲います。

ベッドの下から何者かが私の足を強く引っ張ったのです。

ぐーっ

と凄い力で引っ張られ、ベッドの下に足が引きずり込まれそうになるのを私は必死で堪えました。
どうして抵抗してどれぐらいが経ったでしょうか、いきなり、すっと体が楽になりました。
しかし、恐怖心は薄れません。
結局、寝られないということと恐怖のあまり、私は友達に電話をかけ、一夜を過ごしました。

しかし、この恐怖は一夜限りのものではなかったのです。
翌日も翌々日も、まったく同じような現象に襲われたのです。

さすがに精神的にも肉体的にも疲労がきていたので、父親に相談すると、

「これを布団の下に敷け。」

とミャンマーで買って来たという、長くて大きい数珠を渡してくれました。
半信半疑で敷いて寝てみたところ、不思議と3日続いたあの悪夢のような出来事がぱたりと止みました。

後日、知り合いに聞くと、

「あなたはそういうものをつれて帰ってしまう体質なんだから、あんまり心霊スポットや古戦場跡などに行かないように心がけなさい。」

と言われました。
いまだにちょくちょく見ることはあるのですが、あれほどの恐怖を味わうことはもうないと思います。



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