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□この話は「お母さん様」が、 2009年11月13日に投稿して下さった作品であります。 |
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■投稿作品第二百三十八話 女の子 |
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今から25年ほど前に知人の男性が体験した事です。 当時、彼はトラックの運転手をしていました。 季節はちょうど今頃、紅葉が綺麗な晩秋でした。 彼はその日、荷物を積んだトラックを東京から新潟へと走らせていました。 国道の標識で新潟入りを確認したのは夜の10時過ぎで、ある峠を走っていると前方左側の路肩に人が倒れているのを発見したのでライトを点けたままトラックを停車させ倒れている人の元まで駆け寄りました。 見ると小学校1〜2年生くらいの女の子、外傷は無いもののぐったりして意識が無く明らかに轢き逃げといった様子です。 どうやらお祭りの帰りだったらしく紅い鼻緒の下駄に金魚柄の浴衣、手には水ヨーヨーを持っている色白で真っ黒いおかっぱ頭の可愛い子です。 対向車も来なければ後続車も来ません。 携帯も無い時代です。 彼はかなりパニック状態でしたが、この道は何度か走っているのでここから車で30分ほど走れば、小さな町に入りすぐに交番があった事を思い出して即トラックを走らせました。 大慌てで交番のお巡りさんに説明すると 「落ち着いてね、はい」 とコップに入った水を出してくれただけで真剣に取り合ってくれないので頭に来てどなってしまったそうです。 でもお巡りさんも慣れたもので、通報してくれた事に御礼を言ってくれた後に説明してくれました。 晩秋に浴衣なんて着ないでしょ、夜の遅い時間なのに親の姿も無かったでしょ、捜索願いだって出されてないよ…。 時々あなたと同じ事で交番に飛び込んでくる人がいるんだけど死亡事故があった訳でもないのに原因が分からないんですよ…。 彼は今でも女の子の下駄の紅い鼻緒、金魚柄の浴衣、綺麗な色白の顔、黒髪のおかっぱ頭をはっきりと覚えているそうです。 |
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