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□この話は「茶猫」が、
2009年9月27日に投稿して下さった作品であります。
■投稿作品第二百三十六話
家とお墓(?)

霊感があまり無い私が中学校2年の夏に体験した話です。

ある日、母とけんかしました。
「出てけ!!」と言われ、隣町の祖母の家まで自転車で家出をしました。
盆の入りの話です。
…何日か後、親戚の仲介によりなんとか仲直りした私は、母の小さい車に自転車を乗せるわけにもいかず、来たとおり自転車で家に向かいました。

道に向かう途中、私はあることを思い出しました。
祖母の家にいたので、家のお墓参りに行っていなかったのです。
その日は送り盆でした。
父が亡くなって4年でしたが、大好きな父のお墓参りに行かないのは嫌でした。
そこで、日も傾きかけた夕方、私の家よりさらに遠いお墓へと自転車を走らせました。

着いたら、もう辺りは真っ暗、お墓にはもちろん人影はありませんでした。
さすがに不気味だったので、墓地の奥にある、我が家のお墓に走って行き拝んだ後、急いで自転車に飛び乗りました。

帰る途中のことです。
…ある十字路の左側から人影がこちらを覗き込むような形に見えました。
近くに自販機があったので、買いに来た人が、自転車の音に気付いたのかな?と思ったのですが、その十字路を通り過ぎる時、ふと左を見ると…誰もいませんでした。

隠れれる物陰はありません。
あんなに静かだったのに、走り去った足音さえしませんでした。
そのときは、

「…あれ?」

と思っただけでした。

家に帰り、母に話してもみましたが、なんだか分からず…早めに布団に入りました。

寝てからしばらくたった10時。
急に部屋のドアが

「ガタ…ガタガタガタッ」

と揺れ始めました。
開いていないはずの頭の上の窓のカーテンは揺れ、ビビリの私はもう泣きべそでした。
しかも、それから2時間おきにそれが起きるのです。

12時、2時、4時…

もう気が気ではありませんでした。

朝が来て、母にそのことを話すと、

「送り盆の夜に墓参りなんかするからだ。墓地にいるのは、お父さんじゃ無いんだよ。送り盆の霊は生きてる人を連れてこうとするんだよ」

…と言われました。

あの日の私には、”お父さんじゃない誰か”がついてきたのでしょうか…
長くなり、すいませんでした。
 
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