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□この話は「オズ様」が、
2009年8月17日に投稿して下さった作品であります。
■投稿作品第二百三十四話
とても不思議だったこと

友人と私も含めた3人に同時に起こった出来事です。
今でも何だかよくわかりません。
この話をすると「意味がわからない」と言われますので、文章でうまく伝わるかどうか…。

私は高校卒業後に八王子市でアパートを借りて一人暮らしをしていました。
こんな事を言うと、八王子の不動産を商売にしている方に怒られてしまいますが、八王子の物件は「風呂・トイレ・お化け付き」が当たり前のような物件ばかりでした。

私の住んでいたアパートも別の投稿で書かさせてもらったように、普通に出ましたし、友人の部屋も当然といった感じで出るのです。
何も出ない部屋に住んでいた友人の方が少なかったような…??

ある日の夏の夕方、友人Hから電話がかかってきました。

「今日の夜、テレビで怖い番組があるんだけど、バイト休んで一緒に見ないか?」

こんな誘いでした。
Hと私は別のバイトをしていましたが、夏で暑いしバイトも乗り気がしなかったのでその誘いに乗りました。

夜、バイトに休みの連絡をしてHのアパートに行きました。
私のアパートから歩いても10分くらいの場所です。
Hの部屋も当然(と言っていいのか)それなりに強烈なモノがたまに起きるので、Hとしてはその番組は見たいが一人で見ていて現実に怖い事が起きるのは嫌だから私を誘ったというのが本音でしょう。

二人で近所のコンビニへ行き酒とつまみを買い込んで、さて、いよいよその番組が始まります。
番組は、視聴者の恐怖体験の再現ドラマや心霊写真の紹介…と、続いていきます。
Hはテレビの前にかぶりつき、私はビールの缶を片手に窓辺に腰掛けていました。
番組が進んでいき、ある人が何かに取り憑かれ、それを霊能者が除霊するという企画に差し掛かった時です。
突然の大地震で私は窓から後ろへ落下しそうになりました。
その部屋は2Fでベランダがなく、落ちたら下の駐車場まで真っ逆さまという作りです。
何とか窓の縁にしがみつき、畳の上に這いつくばります。
地震はかなりの揺れで続いていて、立ち上がることさえできません。
ふと、Hに目を向けるとテレビの前でキョロキョロしているのです。

「おい、すげえ地震だな」

と声をかけた私にHはビックリする返答をしてきたのです。

「はぁ!?地震??何言ってんだよ。停電だろ??真っ暗だよ」

???

停電????

何言ってんだよはコッチの台詞だよ。
と、こっちはこっちでツッコミ入れる余裕はありません。
関東大震災でもきたか・・・ってくらいの揺れです。
立てずに四つんばいになっている私と、手探りでウロウロするH…はたから見たら奇妙な光景だったでしょう。

どのくらいの時間そうしてたのでしょう。
私は停電ではありませんから、テレビが点いているのは確認できてますが、のん気にテレビ鑑賞している余裕はありません。
Hはアッチに行って頭をぶつけ、コッチにきて足をぶつけ…たぶん5分くらいだったと思います…

突然、電話がかかってきました。
少なくとも目が見えている私が電話まで這っていき、何とか受話器を持ち上げると、共通の友人Tからです。

T「おぉ、お前そこにいるのか。」

私「すげえ地震だな。つかずいぶん余裕だな」

H「地震じゃねぇよ。停電だよ」

T「は!?地震??何言ってんの??まぁそんなに余裕でもないんだけど」

私「どうしたよ?」

T「ん…今からちょっとそっち行っていいか??」

私「良いけど、地震止んでからの方がよくね?」

T「だから地震って何だよ?」

H「地震じゃねぇよ。停電だっての」

私「何だかわかんねぇけど、来れるなら来りゃいいじゃん」

すると、Tはこう言いました…


「今さ、テレビで怖いのやってんだけどよ。何か除霊のシーンからオレの隣に爺さんが空中で正座してオレを見てんの」


三人まったく同時刻に同じ事をしていて経験した別々の体験です。

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