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□この話は「倫様」が、
2009年6月28日に投稿して下さった作品であります。
■投稿作品第二百二十五話
軍人病院

これは、私の友達の父が体験した話です。

当時、友達の父は不良のグループにいて、悪さばかりしていたようです。
一番仲の良い5人でよく心霊スポットに行ったりして遊んでいたようです。

ある日、車でとある廃病院に肝試しに行ったそうです。
地下を合わせて5階建ての小さな病院でしたが、戦時中にたくさんの軍人さんが、亡くなってしまった軍人病院で、地元では有名な心霊スポットだと聞いていたのですが…。

仲良し5人は2人と3人に別れて、賭けをしました。
どちらが早く屋上につけるかと…。

病院には屋上につながる階段が2つあり、それぞれ大きい声で「よーいドン」と言って、階段を駆け上がったそうです。

屋上に着いたのは同時くらいでした。しかし、3人で登ってきたはずのクループは2人しかいませんでした。

「あれ、○○は?」

「さっきまで、一緒やったんやけど…」

その友達は、いたずらが好きで、4人を脅かそうと企んでいるのだと、友達のお父さんと3人の友達は思ったそうです。
特に気にせず、病院内を探索し終わったあと…まだ、居なくなった友達は出てきません。
いたずらにしては長すぎるので、大声で友達の名前を呼び探しましたが、一向に見つかりません。黙って先に帰ってしまったのかと車を見ましたが居ません。

4人はとりあえず車にのり、その子の家に電話しました。しかし、帰って着ては居ないと母親に言われ4人はまた探しに入りました。けれど、見つかることはありませんでした。

後日、警察に捜索願いをだして、その子の母親と4人は昼間から病院の中を探しましたが痕跡はなく…。地下には霊安室もあり、不気味な感じがしたようです。

捜索をしても彼は見つからず、山の崖から転落した可能性も考えました。しかし、ある日その友達の母から電話があり、ちょっと困惑しているようでした。母親は1本の電話があったと言ったのですが…。

「こちら、○○病院ですが子供さんが305号室入院していますので、お見舞いに来てください」

という電話。看護婦らしき人で居なくなった彼の声も聞いたと

「痛いよ、助けて」

と言っていたと。住所も聞いたので4人は母親と警察に行きこのことを伝えてその住所に向かうと、あの廃病院だったのです。

警察の人も少し驚いていましたが、305号室を探しに病院に入りました。けれど、3階には305号の病室はなく、4階5階にもその番号は有りません。

全員で首を傾げたあと、地下に行きました。すると、霊安室にはなかったはずの扉があり、305号と部屋の番号があったのです。警察を先頭に扉を開けるとベッドが3つ並び、置くのベッドのカーテンが閉じていました。
ゆっくりカーテンを開けると…いなくなった彼の変死体が見つかったのです。警察も母親も友達も悲鳴を上げました。

2日前には電話で母親が声を聞いているのですが、死後3週間は経過していると検視の結果分かりました。そのことは、新聞にも小さく載ったそうです。

以来、友達の父親と友達は、心を入れなおし2度とそのような場所には行かないと決め、この話も、口にはしないと約束したと言っていました。

娘に話したのは、私の友達もまた心霊スポットによく行くので、不安に思った父親が話してくれたと言っていました。

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