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□この話は「オズ様」が、
2008年12月26日に投稿して下さった作品であります。
■投稿作品第二百十五話
我が家

これは私が小学2年から高校2年まで住んでいた実家での話です。

私と弟は、幼い頃から「見えてしまう」人間でした。
見えると言っても頻繁に…ではなく、ごく稀に、何かの拍子に波長が合ってしまうという程度でしたから、生活に困るほどではありません。

逆に両親はその手の事には全く縁がない人間です。
そんな両親でさえ見えてしまうほど、その家ではいろいろな事が起きました。
正確には「家」ではなく「住宅街全体」なのですが…。

現在も、その住宅街に住んでいる方もいますから、詳しい場所等は書くわけにはいきませんが、その住宅街は私が小学校1年ですから、昭和53年頃に造られた街で、100軒前後の家が建っていたと記憶しています。

私が、小学2年の夏休みにその家に引っ越してきました。
私の両親が建てた新築の家ですから新しいのは当然ですが、どこかしら陰気な空気が澱んでいたのは覚えています。
その後、先ほども言ったように様々な現象に悩まされるのですが、とりあえず今回は、私に関わった事を1つ書かさせてもらいます。

私が高校受験を控えた中学3年の時の事です。
その当時、両親・弟は2階の部屋に、私だけ1階に部屋があてがわれていました。(これにも様々な理由があったのですが)
受験勉強と称して、深夜のラジオを聴いてたりテレビを見たり…ほとんど勉強なんかしてませんでしたが、とにかく夜中の2時頃まで起きていて勉強した気になっていたものです。

ある日、いつもと同じようにラジオを聴き終え、

「さて、そろそろ寝るか」

とラジオのスイッチを切りました。
途端に部屋の中は静まりかえり、明日も学校なのでベッドに入ろうかと思った時…部屋の外、つまり廊下で

「ペタペタペタペタ…」

と、誰かが歩き回っている音に気づきました。
足音の感じで、子供のような足音でした。
廊下と言ってもそんなに長いものではないので、実際には私の部屋の前を行ったり来たりしているようなものです。
最初は

「アレ?弟がトイレにでも起きてきたのかな?」

と思ったのですが、それにしてはウロウロといつまでも歩き回っているのです。
当時、家の中での現象さすがに慣れてしまっていたのですが、寝てる最中に見えたり聞こえたりするのはさすがに煩いので、文字通り布団の中に頭までスッポリ潜りこんで寝るのがクセになっていました。
その時も

「あ〜またか」

程度の感覚で、寝てる邪魔さえしなけりゃいいやと布団の中に潜り込んだ瞬間!!!
お決まりの「金縛り」です
寝ている最中に金縛りにあう事は、年がら年中でしたから何とも思いませんが、さすがにまだ完全に目の覚めている状態での金縛りは初めてだったので、今でもその時の驚きはハッキリと覚えています。
頭まで布団をスッポリと被った状態で完全なる金縛り…。
廊下では相変わらず

「ペタペタペタペタ…」

と…。

「なんだかメンドクサイ事になっちゃったな」

なんて思ってたら、その足音がいつの間にか廊下ではなく、部屋の中を歩き回っている事に気づいたのです。
頭まで布団を被ってますから、ドアを開いたのかどうかも、誰が歩いてるのかもわかりません。

「ヤダな…早く終わってくれねえかな」

部屋の中を誰かがグルグルと歩き回ってます。
部屋の中はカーペットでしたから

「ペタペタ…」

の音は聞こえませんが、誰かが確かに狭い部屋の中をグルグルと歩いているのです。
しばらくすると今度は

「バタバタ…」

と部屋の中を走り回るようになってきました。
さすがにこの頃には恐怖でしたね…。心の中で

「見つかるなよ、見つかるなよ」

と念じていました。
足音は相変わらず部屋の中を走り回ってます。

どのくらいの時間、そうしていたでしょうか…10分なのか1時間なのか…もしかしたらそれ以上なのか…
突然、足音がピタリと止みました。
どうも、私のベットの脇に立っているようです。

「イヤだ!イヤだ!!見つかるな!!見つかるな!!!」

と、思った瞬間、布団の隙間から誰かと目が合ったんです。
誰かが布団の奥を覗き込んでいるのです。
そして…

「ここに居るの…知ってるよ…」

…言われた瞬間に、布団がガバッと剥がされ、金縛りが解けたんです。
掛け布団は部屋の反対側まで飛ばされていました。
誰だったのか…サッパリわかりません。
その家のあった「住宅街」…実は、ほとんどの家で、そういった心霊現象が起きていたのです。
そして、事故や病気等々…いろいろな理由で死ぬ人がやたらと多かったのです。
年がら年中、どこかの家で葬式が行われているような状態でした。
後から両親から聞いた話ですが、その状況に困り果てた「住宅街」の大人たちが、集会を開いて相談した結果、霊能者に視てもらったらしいのです。
そして、霊能者にある事を言われ、大人たちはみんな驚愕したそうです。

実は、死人の出る家にはある法則があったのです。
その法則に当てはまる家からは、死人や怪我人が絶えず、当てはまらない家は心霊現象に悩まされる…。
私の住んでいた家の前の道を、3〜40m行った辺りでしょうか。
何て言うのかわかりませんが、小さな築山のようなモノがあり、竹が生い茂っている所があります。
築山の入から階段を上ると、そこには墓地があったのです。
実は、死人が出る家は、全て例外なくこの墓地の方向に玄関が向いていたのです。

つまり、家がどうのこうのではなく、そもそもこの土地自体が

「呪われた土地」

だったようです。
不思議なのは、その亡くなった方たち、コレも全て例外なく、その墓地に埋葬されているんです。先祖代々の墓が他にあるにも関わらず…。
呼ばれているんでしょうか…。

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