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□この話は「あさぎ様」が、
2008年11月5日に投稿して下さった作品であります。
■投稿作品第二百十三話
放課後の被服室で

こんにちは。初めて投稿させて頂きます。
これは、私が高校三年の時に体験した話です。

私の実家から高校までは、約40キロととても距離があるのですが、その日はいつもの様にバイクでの通学はせず、母親に車で送ってもらっていました。
その母親が迎えに来るのは自分の仕事が終わる5時30分以降。それまではまだ時間があったので、私は友人を連れて被服室に篭っていました。

最初はクラスに対する愚痴であったり、昨日見たテレビの話であったり…という事を取り留めなく話していました。
そんななか、私は不意に、被服の授業中に見た

『影』

の話をし始めました。

それ自体は何も怖くない話でした。
しかし、2人とも多少なりの霊感めいたものがあり、話は次第にそういった方向に進んで行きました。

お互いの体験談を語り合っていた時、突然、中庭の砂利を踏む音がしたのです。
中庭は南校舎と北舎の間にあり、被服室は北校舎の一階にあります。
当然、人が通る事も可能なのですが、その音は明らかにおかしな所から聞こえてきました。
中庭のど真ん中。
そこが音の発信源でした。
事務のおばさんがいるのかと思い、外を見てみるとそこは何もない静寂が続いているだけ。人っ子一人いませんでした。
そもそも、人が砂利の上を歩くときに無音で歩ける訳がないのです。

「…来たんやない?」

「…かもしれんなぁ…」

どちらともなくそう言って、その話をやめようと思ったその時。
私も友人も見ました。
壁の近くに置いてあるテレビの後ろ(テレビと壁の間)に、

黒い影

が写っているのを…。

それはそうしない内に消えました。しかし、影は慣れっこになっていた私達は、被服室からすぐ見える渡り廊下と中庭を確認。中庭は先程同様、渡り廊下も静まりかえり、人はいませんでした。

見ちゃったなぁ…

と2人で凹んでいると、ふとおかしな事に気付きました。
写っていた黒い影は、異様な程に黒かった事。
写っていた黒い影は、異様な程に背が高かった事。
テレビは一昔前の大きな型のもので、木製のキャスター付き台車に乗っています。
その高さは180センチ程で、目撃した影はそれを越える高さ…。
勿論、当時は背の高い教師も生徒もいませんでした。
思い出して背筋が寒くなった事は、言うまでもありません。

その後、母に話した所

「2人ともが見えるし感じるやん。うっかり呼んだんやろ」

と笑われてしまいました。
これ以外にも色々な体験があるのですが、それはまた投稿させて頂きます。
長文、失礼いたしました。

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