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□この話は「導摩様」が、
2008年7月23日に投稿して下さった作品であります。
■投稿作品第二百八話
とある旅館で…

この話を読む前に…人によっては何か起こったりする様なので、嫌な感じを受けた場合は、読むのを辞めて下さい。
これは私が7年ほど前に体験した話です…。


その日、私は初出勤という事もあり約束の時間より30分早く到着しました。


私『…たまに此処ら辺通るが…やっぱり何時来ても何か…なぁ…』


私が辺りを見渡していると、仕事を教えてくれる方(T氏)がやってきました。

T『え〜と…○さん?ですか?』

私『はい。今日からお世話になります、○といいます。よろしくお願いします。』

私はT氏に連れられ、建物に入った。

T『こちらが主に夜勤の時にいる、当直のKさん。KさんこちらがHさんの代わりに入った○さん。』

K『よろしく○さん。』

私『よろしくお願いします。』

と、時が過ぎて1週間…私はいつもの様にフロントに行った…。

私『おはようございます…あれ?Nさん?今日当直でしたっけ??』

N『いや…なんかさ…Kさん…昨日の23時頃…あの雨の中、傘もささずに家を出てさ…轢き逃げされたらしい…歩道で死んでたってさ…』

私『そう…ですか…そう言えば一昨日…Kさんてあまり話す方でないのにえらく色々話してくれたなぁ…』

2人で沈んでいると、元気のいいオッサン(オ氏)が、

オ『そういやK死んだって新聞にのってたな!雨の日に傘ささねぇで…あれ夢遊病か何かあったのか?何考えてるか解らん人だったからなぁ。(以下省略…ただ延々と悪口?見たいな事言ってたと記憶している)』

私『ま、まぁ…仕事の時間ですから…えーと…オさんは今日はAですから先に巡回ですね。』

オ『だっけか?じゃあ行って来るか。』

オ氏がフロントから出て行くと

N『あのオッサンは…死んだ人の事あそこまで悪く言うか?…まぁ、俺もKさんとはあんま話しなかったけどさ…』

私『まぁ…オさんとKさん仲悪かったから…死人に口無し…て所でしょうね…』

30分後…オ氏が戻ってきた。

私『え??オさん随分早いですね^^;』

オ『そうでもないべ?でよさっきの話…』

1時間半後…

私『じゃあ巡回いってきます。』

私はフロントを出た…。

私『異様に早かったが…ちゃんと空室チェックしたんだろうか?』

私はドアに手をかけた…。

私『やっぱりね…全然チェックしてないよ…』

私は空室を見て周った…。

私『で…此処が最後か…』

私は窓の施錠、ガス、クローゼット、金庫を確認し、電気を消して外に出ようとした…。

私『え!?』

私は部屋の中に目を向けた…。
私が出ようとした時…確かに50〜60くらいのオバサンが部屋の中に入っていったのが見えた…。が、部屋の中は真っ暗、仮に人が入ったとしても瞬間的にクローゼットに入る事など出来るわけもなく…私は気のせいと、部屋を後にした…。
巡回を終え私はフロントに戻ると、

私『オさん。話するのは良いのですが空室チェック全然してなかったですよ?』

オ『だってしてねぇもん。』

私『そんな仕事内容ですと隊長に報告する事になりますが…よろしいですか?』

オ『…』

私『…』


『プルルルルル…』


私『はい。フロント○です。どうかなさいましたでしょうか?』

客『○○7号なんだけどさ…隣がうるさくてねむれねぇんだけど…』

私『わかりました。』

私『オさん。○○7の方が隣うるさいからって来ましたので注意してきてください。』

オ氏はフロントを出て行った…。数分後

オ『隣の客寝てたぞ?』

私『そうですか…』


『プルルルルル』


私『はい。フロント○です。』

客『まだ注意してねぇのかよ!!』

私『は。申し訳ありません。巡回の方が今対応中ですのでもう少しの間お待ちください。』

私はオ氏を向くと

私『オさん!全然収まってないそうですよ?』

オ『いや寝てたって!』

私『解りました。じゃあ私がみてきます。』

私は部屋まで行った。


『コンコン』


客『はい…』

私『お休みのところ大変申し訳ありません。隣の○○7のお客様よりうるさいと苦情がきておりますので…』

客『だからさ…さっきも言ったけど寝てるって…何ならお前此処で監視してるか?』

私『いえ…失礼いたしました』

私『…へんだな…』

私は○○7の部屋をノックした…。

客『はい…』

私『一応注意はしたのですが…』

客『今は静かだけどさぁ…さっきまでうるさかったんだよ!ドアノックしても出てこねぇしさ…』

客はそう言いながら○○9では無い方を指差した…。

私『え?あ…申し訳ありません。少しお待ちください。』

私はフロントに戻った。

私『ちょっとNさん!』

N『ん?』

私『○○7のお客さんがさ○○5がうるさいって…』

N『ん〜と…あ〜…じゃあ○号に案内してやってオさん』

オ氏はフロントを出て行った。

私『実は私最初の巡回の時に…』

私はNさんに話をした…。

N『あ〜…あの部屋さ…自殺した人いんだわ…でたって事はまだいるんだな…』

私がいた一月と数日で自殺、事故、原因不明で亡くなった方(従業員、警備、客の総計)は11名を数えた。ある従業員はこう言う。


○○7の自殺とか亡くなる方増え始めたの…あの時の事件以降なんだよな…

あの時の事件…あえて此処では内容を伏せさせて頂きます…

今私が気になっているのは…ただの廃屋と化したあそこに…

今も尚その霊は彷徨っているのか…あの日の事故で下半身の

自由を奪われた私には知る術も無いが…

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