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□この話は「D様」が、
2007年8月19日に投稿して下さった作品であります。
■投稿作品第百九十三話
待てよ……

こちらのサイト内でも紹介されている緑山峠での出来事です。

この道は以前からこの辺を知ってる人じゃないと昔の事はご存知の人は少ないの
ですが、昔は新道が無かった頃この峠でバイカー(走り屋と呼んでいた)が転倒事
故で大勢無くなっていました
その後道路は片側が閉鎖されて新道を使われるようになり、ここを通る人はいな
くなったのです。

ある晩友人と近くを車で走行中に 

「昔こっちに道あったよな。ちょっと入ってみねー?」

って事になって面白半分で入ってみました。
下の入り口から入り、道路脇には花束が入っていたワンカップの様なガラスのビンが数箇所置いてあり、

「ここってこんなに不気味だったっけ?」

なんて話をしながら頂上まで走りました。

頂上で柵が設けてあり、新道には合流出来ないので「ここでUターンだね」と話し、Uターンし戻り方向に走り出したところ

……まてよ……

と低い声で後部座席辺りから聞こえました。私は

「え??」

と思い、気のせいだと思ったのですが、車のラジオのボリュームを絞りました
すると運転していた友達が、


「おまえ…聞こえたの?」


と言うのです。
友人の顔を見ると、涙が滝のように流れ出ており、


「え?え?涙が止まらない、前見えないんだけど!」


と言うのです。
その顔といったら、無表情で硬直しているのに涙だけがボタボタ零れ落ちる様な状態でした。

(これはマズい、早く下りよう)

と言い、やっとの思いで下りて少し走ったところの自動販売機でジュースを買い、今日は気分が悪いと言って二人とも家に帰ったのです。

その晩から三日ほど経った夜…。

私は、その恐ろしかった事など忘れかけて、普通に過ごし始めてました。
自宅に帰宅すると母親が

「具合が悪い、頭が痛い。」

と言ってソファーで横になっているのです。

「どうしたの?風邪?」

「いつから?熱は?」

と私は聞きました。すると母親は

「うーん…三日ぐらい前からかな。」

「あなた、どこか変なところに行ったでしょ!!」

と私の顔を見てハッキリと言い切るんです。
私はその瞬間、あの晩を思い出して、怖くて震えてしまいました。

翌日、幸いにも祖父が御祓いを出来る神主でしたので、そこで御祓いして浄霊してもらいました。

それ以来、緑山峠には一切近づかないようにしております。

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