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□この話は「じょうたろう様」が、
2007年8月8日に投稿して下さった作品であります。
■投稿作品第百九十二話
怨みとともに成長する霊

2年前の話です。
私の友人のお母さんが難病にかかり、自宅にて療養していらっしゃいました。
友人宅はお父さんと友人の弟の4人暮らし。
 
ある日、お宅に招かれて食事をすることになりました。
友人は僕が少し霊感があることを知っており、食事に誘ったのもその関連の話があるためだったようです。
 
食事の場にはみなさん揃っており、話というのはそのお母さまのことについてでした。
 
病気になってからほぼ毎日、休息のために昼寝をしているそうなのですが、大体その時間は仕事や学校で家族はみなでかけており、家にはそのお母さま一人になるそうです。
 
そんな時、2階の寝室でベッドに一人で寝ていると、突然金縛りになり、足もとにすごい形相をした青年が立ち、じっと睨むのだそうです。
あるときには首をしめられたこともあったそうです。
 
あまりの恐怖に、1階のソファーで寝るようにしたところ、2階の寝室ですごい音がしたそうで、行ってみると誰かが暴れたように物が散乱していたそうです。
ちょうどその日は友人も部屋におり、隣の部屋で起きた出来事に驚いたそうです。
 
それまでは正直、病気のせいで精神的にまいってしまい、幻覚でも見てしまっているのかとみな思っていたそうです。
 
その後も一人のときは、1階のソファーで寝るようにしていたのですが、あるとき、そこでも金縛りにあったそうです。
恐る恐る目をあけると、目の前に例の青年がおり、口元に歪んだ笑みを浮かべながら、
 
 
「こんなところにいたんだ」
 
 
と言われてまた首を絞められたそうです。
そんなことがあり、誰に相談すればいいのかわからず、とりあえず僕に話だけでもと思って呼んだそうです。
 
その話を聞き、まずは2階の寝室を見せてもらった。
この家事態、入った時から空気が重いなぁと思っていましたが、その部屋はさらに空気が重かった。
そして中へ入り、青年がいつも立っているという場所に、私も立ってみた。
その瞬間、さらに空気がずっしりと重くなり、今までに感じたこともないような感覚に襲われた。
ためしに友人と友人の弟にも立ってもらうと、霊感のない2人にも空気の違いを感じるほど強烈でした。
 
これはただごとではないと感じ、その場で知り合いの霊能者に連絡。
するとすぐに電話口でその家の霊視をはじめた。
 
すると部屋の前の廊下に小さい窓がないかという。
出てみるとたしかに小さい窓があった。
どうやらその窓の下に、むかし祠のようなもがあったようで、家を建て替えする時に場所をうつしたのだそうだ。
それがちゃんと行われていなかったようで、神様が怒っているとのこと。
 
またそれだけではなく、例の青年というのは、お母さんが小さい頃に、ご両親の不注意で幼くして亡くなった弟の霊で、きちんと供養されておらず、怨みと共に成長した姿なのだということだった。
お母さんのご両親は数年前に他界してしまったため、怨みの矛先を向けられてしまっているとのことだった。
こういう霊はけっこう大変なんだそうだ。
 
しかし、後日ちゃんと土地の供養と、弟さんの供養をしたところ、あの青年があらわれることはなくなったそうです。
 
お母さんの病気に関しては、今度のことが関係はあるにはあるが、それがすべてではないということで、今だに病気は治っていません。
しかし家族みなで支え合い今も元気にくらしております。

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