□この話は「やぶ医者様」が、
2002年3月29日に投稿して下さった作品であります。
■投稿作品第十八話
真夜中の歌声:後編

しばらくして、私は不意に気がつきました。
ラジオが置いてあるのはPCRの部屋で、
gene scan(遺伝子解析装置)の置いてあるこの部屋ではない。
Scanの置いている部屋は温度湿度を一定に保つために
壁が厚くしっかりと作ってあり、防音性が非常に良いことを、
普段scanにかかわっている私はよく知っていまし た。


―――――そんなに大きな音で、ラジオかかっていたっけ?


私が不審に気がついたのを悟ったかのように、
その歌声はさっきよりも大きくなりました。
次第に、歌詞がはっきりと聞き取れる様になりました。




I’m here whoo・・・

I’m here now・・・

can you hear me?・・・whuu

・・・alone in 〜〜〜・・・

I’m here please・・・




幼子が一生懸命歌っているような、澄んだ声でした。
不思議に思いながらも、私はscanをセットし終わり、作動させました。
それと同時に、その声はぷつっと聞こえなくなりました。



私は少し残念に思いながら、PCRの置いてある研究室のほうに戻りました。
Scanには15時間かかります。後は明日と思っていました。


――――あれ??


研究室は誰もおらず、さっきまでついていた筈のラジオは沈黙していました。
確かめてみると、スイッチがOffになっています。




――――では、さっきの歌声は??





それから数日後、警察からお礼の電話がありました。
あの日の実験は成功し、DNA配列から、5年前に行方不明になっていた、

“イギリスの10歳の女の子のもの”

と判明しました。
そして遺骨はイギリスの両親がわざわざ迎えに来て、
イギリスへと連れて帰ったとそうです。



――――あの日の歌声は、再び聞こえることはありませんでした・・・。







I’m here whoo・・・

私はここにいます・・・

I’m here now・・・

私は今ここにいます・・・

can you hear me?・・・whuu・・・

あなたには私の声が聞こえるでしょうか?

alone in・・・

孤独の中に閉ざされた私の・・・

I’m here please・・・

どうか・・・私はここに・・・









□管理者より

独自の翻訳をしてしまいましたが、本来はもっと違う訳だと思います。
文法にとらわれず、内容を素直に感じ翻訳したつもりです。
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