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□この話は「ゆた様」が、
2002年3月1日に投稿して下さった作品であります。
■投稿作品第十五話
むかし話です

今からもう10年くらい前の話ですが、私は東京の○有にある、会社の寮に住んでおりました。
若い連中が沢山住んでいるところでは、それだけで“そういった噂”に事欠かないものなのですが、そこは裏手が“お墓”という立地条件に加え、2年前に自殺者が出た(同じ会社の人でした)というイワクツキの場所でした。

ここで有名だったのは、“バスケットボール”のお話です。
日夜問わず、バスケットボールをつくような音が、たった一人だけに聞こえるのです。
ある時は寝ている耳元で。
またある時時は遠くの廊下でついているように…。

このお話をすると、同じ寮内に住んでいる人に限り、伝染するんです。
ところが私の所に来てバスケットボールの音が変化しました。

その時私は知らずに先輩よりその話を聞かされました。
若かった私は

「またまた〜♪」

といって信用しませんでした。
その夜の事でした。
夜中に壁掛け時計が六畳間の反対側からいきなり飛んできたのです。
私はとても焦りました。

(音じゃなかったんかいっっ!!)

しかし、その夜にはもう何もおこりませんでした。
次の日、先輩にその話をしようとした時でした。
遠くの方から鈴の音が聞こえるのです。

「シャンシャンシャンシャン…」

と段々近づいてくるのです。
それは話そうとすればする程、耳元に近づいてくるようでした。
結局、寮内にいるとこの音に邪魔されこの話は出来なくなりました。
しかも、無理やり話そうとすると頭痛が止まらなくなってしまうのです。(相手にはこの音は聞こえません)

実は、この話はもっと怖い事が起こったはずなんです。
というのも、この先を話そうとすると全く話せなかったという話なんです。
でも、10年経った今、すっかり忘れてしまって(笑)記憶が抜け落ちてるんです。
ただ私の言った台詞だけ覚えています。

「ごめん…この先は喋れないんだ…」

鈴の音を聞きながら、この台詞を言った事は覚えています。
さて、当時の私には何が起こったのでしょうか?


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