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□この話は「南海の黒豹 様」が、
2005年7月6日に投稿して下さった作品であります。
■投稿作品第百四十二話
職場のうごめく霊たち

私の以前勤めていた職場での体験です。

私が勤め始めたときは、事務所を移転したばかりというその職場。
見た感じもかなりきてたんですよね、今にして思えば…。
古い倉庫を改良して食品の保管をしていたんですが、以前はクリーニング業をやっていた倉庫だと聞きました。
仕事にも慣れ、余裕も出てくると色々な噂話しなどが聞こえてきます。


「ここには、黒い人と白い人がいるんだよな…」


かなり年配の方がそう言っておりました。


「どんな感じの人なの?」


私が聞くと、白い人は玄関から入って来てそのまま消える男性、黒い人は倉庫の中をまるで何か探しているかのようにウロウロする女性だそうです。

そんな噂話を聞いてしばらくしてから、在庫確認のため冷蔵庫のなかで作業をしてい たのですが、入り口の扉には人一人のぞける小さな窓があるんです。
なんとなくその 窓を見たらいたんですよ。見たこともない女の人が…。
ちょっとどす黒い感じの紫の肌、目も焦点が合わない感じでこちらの様子をうかがっている。
冷蔵庫の冷風も重なって全身に鳥肌が立ったのは言うまでもありません。
しかし入り口はそこだけ。もちろん出るのもそこだけ…。
目を閉じ、走って入り口を押し開け一目散に逃げました。

しかし、これだけでは終わらなかったんですねー。
その女性、たいていは入り口の窓でしか見なかったのですが、 ついに冷蔵庫の中に入ってきちゃったんですよ。
在庫確認してると視界の中に彼女が立ってるのが見えるんです。
髪を垂らしうつむいてただじっと立ってるだけなんですが、彼女に背を向けるのが怖くって、みょうに不自然な在庫のとり方してました。(苦笑)

たぶん、この女性が黒い人?なんでしょうか…。

後日「白い人」も見ることになったんですがそれはまた…。

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