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□この話は「ぎーす様」が、
2004年9月4日に投稿して下さった作品であります。
■投稿作品第百十八話
旅館で…

かなり前なので伊豆か熱海か箱根か忘れてしまいましたが、ある旅館に泊まった時の話です。

案内された部屋が一階の端の方の部屋で、廊下の壁の向こうにもう1部屋あったんです。
不思議に思ったのですが、あまり気にもせずに泊まりました。

夜中になって、妙に騒がしいので目を覚ましたら、隣の壁で行けないはずの部屋から物を投げる音や大きな声が聞こえてきました。
フロントに文句を言ってやろうと思い電話したのですが、誰もでませんでした。

あまりにもうるさいので、壁を叩いたのですが効果はなく、直接文句を言おうと思い、庭に出て窓から向こうの廊下に入ろうと考えました。
窓をさわったら鍵がかかっていなかったので中に入り、その部屋の戸を思いっきりりあけたんですが…


部屋の中は静まり返って誰もいる気配すらしませんでした。


蛍光灯のスイッチを入れてみると、部屋の電気はついたので、あたりを見回したら、押入れがかすかに動いた気がしたました。


あけちゃいけない


と思ったのですが、思いきってあけちゃったんです。
中に布団が入っていたのですが、ふと目をやったところに



真っ白い手


が布団の間からでてくるではありませんか。
それを見た瞬間、固まってしまい何もできませんでした。

だんだん頭がでてきて長い髪の毛が出てきたのですが、手は甲の方が上を向いているのに頭も上を向いていたんです。


首が反転


してたんです。
目と口がは血で真っ赤でした。
その瞬間意識がなくなりました。


朝方気がついて、怖くなって慌てて庭に飛び出てフロントに行き従業員の方に話したら、


「それはおかしい。あの部屋には絶対入れないはずだ」


って言って様子を一緒に見に行ったのですが、部屋の入り口に鎖が巻いてあって南京錠がいくつもしてあったんです。

あとでおかみさんに話を聞いたら、よくある話なんですが、昔あの部屋で不倫してた奥さんを、旦那さんが鎌で殺して


死体を押し入れの中


に隠していたそうなんです。


今考えても恐ろしさと、なぜあの部屋に入れたのかと思うと冷や汗がでます。

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