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□この話は「神戸っ子様」が、
2004年8月19日に投稿して下さった作品であります。
■投稿作品第百十五話
霊との会話

この体験は、今から約20年前の、私が18歳の時、大学1年のバイト先での体験です。

そのバイトとは、取り壊される倉庫の夜間警備で、社員1名バイト2名の3名体制で、1時間おきに1人で見回りするものでした。(一日1万食事付き)

その日は、ジメッとした夏の暑い夜で、海に近いのに全く風がない日でした。
基本的に見回りはバイトが行い、何か有れば社員が駆けつけるようになっていたので、私ともう1人で交互に見回りをしていました。

午前一時の見回りが終わった私は、仮眠をとっていた相棒を起こして見回りを引き継ぎました。
普段なら私も仮眠をとるのに、その日は眠気がなく妙に興奮していました。

午前三時の見回りを私がしていると、廃工場の近くに差し掛かったとき、バレーコートで何人かの人が動いているのが見えたので確認する為に近くに寄っていきました。
すると、バレーボールと女性の姿が確認できたので、何をしているのか確認したら、


「練習している…練習している…練習」


と繰り返し返答したので、気味が悪いのでさっさと見回りに戻りました。
引き返すときも、彼女たちを確認し、早く帰るように注意したときも


「練習…練習…練習…」


と言うだけでした。

見回りを終えた私は、一応、この件を社員さんに報告しましたが怒られました。
そのバレーコートは、現在、使用不可で荒れ放題の場所で、人が勝手に入れないと説明されました。
相棒に見回りの際に、すぐに帰るように注意しようとしたが、そこには誰もいませんでした。

翌日、引継ぎの際に、古くからいる社員さんに昨夜の話をした際に、昔、バレーボールの練習中に居眠りのトラックにきかれた亡くなった女子高生の話をされました。


昨夜の彼女たちは、今もバレーボールを練習しているのでしょうか……。
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