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□この話は「ごんす@霊感無し様」が、
2002年1月24日に投稿して下さった作品であります。
■投稿作品第十一話
熱海の某一室

私は他の投稿でもありますように霊感などなく、そう言う物を余り信じない人間なのですが…。



いつの頃だったか、とある女性と、急に温泉に行こうという話になり、東京から近いところで、急でもOKであろうと言う事から、熱海方面に向かう事となりました。

私は車を運転しながら、各宿泊施設に携帯で泊まれるかの確認をしていたのですが、流石に午後9時近かったので、泊まれる場所は中々ありませんでした。

因みにですが、この女性は、非常に霊感が強く、壁に引き込まれたり、宙に上げられたなどと自分で言っている人でした。
勿論、私はそんな話を馬鹿にして信じていなかったのですが…。



ようやく泊まれるところが見つかり、そのホテルに行きました。
大きいホテルでしたが、古さを感じさせる、何とも凄味のある建物でしたが、時間も時間ですし、「ま、しょーがないか」という感じでした。

部屋に入ると、彼女が突然

「ここはまずいよー」

と言うんです。

「急だから、贅沢は言えないだろ」

と言う事で、何とか納得させ、もう食事も無いと言うので、寿司の出前を頼み、それから風呂に行くことにしました。

入浴時間は通常、女性の方が長いはずであり、その例外に漏れず、部屋には私が先に帰ってきました。

突然彼女に“ナーバス”になる様な事を言われると、何故かそういう気にもなってくるもので、その時も嫌な感じがしました。
この部屋には風呂がついていたのですが、今時誰も入らないような代物で、その風呂を見ていると、何か怖かったのを覚えています。

彼女が風呂から戻ってきて、寿司とビールも来ていたので、私はそんな事は忘れ、

「さーあ、飲めよ」

とか言っていたのですが、彼女は突然

「この部屋はやっぱりまずいよ、だってほらー」

と言ったその瞬間、洗い立てで乾いていない髪の毛が


「ぼわ〜〜〜〜っ」


と逆立ったのです。



突如の出来事に驚愕した私私達は、直ぐに、この奇妙なホテルを後にしたのは言うまでもありません。
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