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□この話は「じょうたろう様」が、
2004年8月12日に投稿して下さった作品であります。
■投稿作品第百九話
忍びよる影

私が小学生くらいのときの話です。

当時はまだ両親と同室で寝ていたのですが、私と両親のベッドは少し離れており、部屋の窓際に私のベッドはありました。

その晩は窓を開けて寝ており、レースのカーテンだけ閉めておりました。
夜中、突然、


「うぅぅぅぅぅ…」


という、うめき声で目が覚めました。
一瞬びっくりしたのですが、どうやら父がうなされているようでした。
どうしたんだろうと思い起き上がろうとした瞬間、体が動かなくなりました。金縛りです。

私は壁の方へ横向きに寝ていたのですが、明らかに背後に何かがいました。
窓からもれる明りで、壁に長い髪をなびかせた影が映っていたのです。
そして気配は忍び寄ってきました。

何とか逃げなければと思い、私がありったけの力をふりしぼると金縛りがとけ、起き上がることができました。
そして反射的に後ろを振り返りました。
すると風もないのにレースのカーテンが大きく舞い上がったのです。
そこにはもう何もいませんでした。
すぐさま窓を閉め、その後は朝まで両親の間に挟まって眠りました。

翌朝、両親に昨夜のことを話そうか迷っていると、父が母にこんなことを言ったのです。


「昨日寝てたらいきなり首しめられてさ、母さんがふざけてるかと思って目開けたら、髪の長い女が俺の上にまたがって首しめてたんだ。あれは夢だったのかな…」


その日からしばらく、私は窓を開けたまま眠れなくなりました。
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