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□この話は「テツ様」が、
2004年8月10日に投稿して下さった作品であります。
■投稿作品第百六話
まっくろくろすけ

怖いかどうかはわからないのですが、私が初めて「見た」時の話です。

去年の秋の終わり頃の出来事でした。
高校生である私は、学校の定期試験の勉強に追われ、連日、徹夜の日々が続いていました。

その日も例にもれず、私は徹夜で勉強をしていました。
午前四時頃になり、眠さと格闘していた私でしたが、


「もう無理!!」


と、胸中で叫びながら、そのまま枕に顔を伏せました。
(私は布団の中で勉強していたので、眠くなったらすぐ寝れました)
しかし、暫くするともの凄く眠かったにも関わらず、私はふと目を覚ましました。
手元にあった携帯で時間を確認すると、午前五時を少し過ぎた辺りでした。
妙な時間に目を覚ましてしまった苛つき(五時半起きだった)で、私の機嫌はすこぶる悪いものでした。


(なんだよ…)


と、内心、悪態つきながら、再び寝ようと寝返りを打とうとしました。



…何かいる。



寝返りを打とうとしたした私の左目の端に、何か黒いカタマリが見えたのです。
「それ」はどうやら壁にくっつく様に居るようです。
動けないまま数分が経ったと思います。

このままでは埒があかないと判断した私は、思い切って「それ」の方へ首を向けました。
そこで私が見たのは、真っ黒な毛のカタマリでした。
毛の真ん中には、赤い目の様なものが光っていました。
例えるならば…そう、トトロに出てくる「まっくろくろすけ」の様な生き物(?)です。

「それ」は私と目が合うと、数秒、体をピクピクと動かしと思うと突然、体を左右に振りながら、もの凄い勢いで壁わ滑るように登っていき、天井まで行くと、フッと消えてしまいました。
私はすぐに電気を付け、消えた所を確認しましたが、穴があるわけでもなく、普通の天井でした。

鼠かとも思いましたが、それは有り得ないと思います。
なぜなら、私はその壁に大きなタペストリーを掛けていたのですが、「それ」はその上を通ったにも関わらず、タペストリーは全く微動だにしていなかったのです。
それに、音も何も全く立てずに壁を登るなど、鼠には絶対に無理です。
私はただ、


「何だったんだ…」

と、呟いて、呆然とすることしか出来ませんでした。

他にもこの様な体験をなさった方は居ませんか?
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