【路地裏】【体験談トップ】【管理者体験談】【読者体験談】【作品投稿
□この話は「モモ様」が、
2016年4月10日に投稿して下さった作品であります。
■投稿作品第三百七話
白いカオナシ?

ある朝の、確か六時頃のことです。

眠っていたのですが、急に金縛りにあい、私は目を覚ましました。
するとその瞬間に、中年女性の低い声が聞こえてきました。

「侮るんじゃないよ。よしよし」

と…。
この時は、きっとまだ寝ぼけているだけだと思っていました。
しかし、それにしてもその女性の声は、余りにもハッキリと、しかもずっと聞こえ続けていました。
私は自分自身、頭がおかしくなったのかと思い、その声を確認しようと、布団を頭から出してみることにしました。すると、

大きく真っ白な顔

が私の顔をまじまじと覗き込んでいたのです。
その顔は、既に亡くなった私のおばあちゃんでした。
しかしその体は…分かりやすくいえば、

カオナシ(注)注の白色バージョン

のような見た目です。とても不思議な化け物でした…。
金縛りはなおも続いた故、本当のおばあちゃんではないことを悟りました。
私は何度も何度も

「苦しめないで!」

と、叫び続けました。
すると、その化け物は、困り果てたように、振り子のごとく左右に揺れながら、


「あ〜〜〜〜」


と、声を上げ続けました。
それと同時に、化物の体は、しぼんでいき、やがて、消えていきました。



注:カオナシとはスタジオジブリの映画「千と千尋の神隠し」のキャラクター
路地裏】【体験談トップ】【管理者体験談】【読者体験談】【作品投稿